社会

『バイアグラ』保険適用開始で懸念される“偽ED”の転売ヤーたち…

聴診器
聴診器 (C)週刊実話Web

2022年度の診療報酬改定で、4月からバイアグラが保険適用になる。

「正規で1錠1500円程度だったバイアグラが、3割負担で450円程度になります。しかし、あくまで男性の不妊治療のためで、不純な動機では処方されません」(医療ライター)

バイアグラは新型コロナワクチンで世界的なシェアを誇るファイザー社が、もともと狭心症の治療薬として開発したところ、服用することで勃起を促進する効果があることが判明。ED(勃起不全)治療の〝夢の新薬〟として、1998年にアメリカで誕生した。

「一躍脚光を浴びたバイアグラですが、日本では販売されなかったことから、当時は個人輸入で手に入れていました。闇で売買されるケースもありましたね」(調剤薬局の薬剤師)

その後、99年に厚生省(当時)が製造承認して、バイアグラが医療機関で販売されるようになった。

「しかし、保険適用にはならずに高額だったため、模造品が出回って暴力団の資金源になってしまったのです」(警察関係者)

あくまでも不妊治療のため

医療関係者によれば、製薬業界の医療情報担当者が、小遣い稼ぎで横流ししていたこともあったという。

「晩婚化や女性の社会進出が進み、不妊治療を希望する夫婦が増加。男性不妊の1つに勃起障害があり、今回のバイアグラの保険適用は、そのためなのです」(前出の医療ライター)

ただし、患者が「EDのための不妊」と自己申告した場合、鵜のみにしてバイアグラを処方してしまうという問題点もある。

「バイアグラは不妊治療専門医や婦人科医だけでなく、一般のクリニックでも処方してくれますからね。しかも、転売目的の輩も出てくる。医師のチェックが必要です」(前出の薬剤師)

世の男性は邪念を捨てて、不妊治療のためにバイアグラを使用してほしい。

あわせて読みたい