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演歌歌手/門松みゆきインタビュー~2歳でハマった北島三郎の歌謡ショー

門松みゆき
門松みゆき (C)週刊実話Web

苦節10年――。2歳で演歌に興味を持ち、16歳で作曲家・藤竜之介氏に弟子入りしてから10年間、なかなかデビューできなかった門松みゆき。

26歳で巡ってきたチャンスを生かすべく、地元の小田原愛を前面に打ち出すYouTubeでは〝勝手に小田原観光大使〟を名乗り、名産品や観光スポットを紹介する活動にも勤しんでいる。中でも一番バズったのは、小田原市長に「公認をください」と直談判に行った動画だという。

――観光大使を名乗ることになったきっかけは?

門松 デビュー1年後に音楽雑誌『月刊カラオケファン』で連載コーナーをいただいたんです。1ページの半分、白黒の記事でしたが、地元を離れて歌の勉強のために修業していた私にとって、小田原は近いのに、なかなか帰れない故郷という感じでした。地元のことを紹介する記事を書くことで、何かの恩返しができるんじゃないかと。YouTubeはその動画版ということで、記事との連動企画ですね。おかげさまで今はスペースも1ページに広がりカラーになったんですよ。

――どんなところを紹介している?

門松 観光の定番である小田原城やかまぼこ工場、地元のおいしい店や名産品などです。誰もが聞いたことがある、行ったことがあるところを掘り下げて紹介しています。一昨年は駅に直結した商業施設『ミナカ小田原』も開業して、さっそくレポートしました。そのご縁もあって、1周年記念のイベントでは歌わせていただいたんですよ。

――最も反響が大きかった動画は?

門松 やはり、勝手に名乗っていた観光大使に公認をいただきたいと、市長さんを訪ねて直談判した動画ですね。

――今でも〝勝手に〟が付いているということは…。

門松 お察しの通り、「前向きに検討させていただきます」という大人の対応でした(笑)。

――ただ、芸能界に観光大使を拝命している人は多いけど、誰がどこの大使かなんてほぼ知らない。でも、勝手に観光大使は門松みゆきだけ。目立つから公認がない方がいいのでは?

門松 確かにそうかもしれませんね。最近はロケをしているとありがたいことに声をかけていただくことが多くなったんです。「応援してるよ~」って。

――「うちの息子の嫁に」みたいなお誘いが来たり。

門松 まだないんですけど、あったら嬉しいですね。

演歌ってなんて深いんだろう…

――演歌には、いつから興味を?

門松 記憶にはないんですけど、2歳の時から目覚めたようです。きっかけは、両親と一緒に行った北島三郎さんのコマ劇場公演。2時間のお芝居と2時間の歌謡ショーを、身を乗り出して見ていたそうです。

――2歳児が!?

門松 普段から全く落ち着きのない子だったので、ちゃんと見られたことに両親はびっくり。翌年から毎年、見に行くようになり、保育園では演歌ばかり歌っていたそうです。

――最初に記憶にある演歌の印象は?

門松 歌詞の意味などはもちろん分からないんですけど、メロディーラインを聞いているだけで心地よかったのを覚えています。少し大きくなり、人生とか男の生きざまを山などにスケール感大きく例えていることが分かった時に、演歌ってなんて深いんだろうと思いました。年配のお客様が帰り際「来年もまた、見に来ようね」と話しているのを聞いて、ああ、この数時間であの人たちは1年分のパワーをもらっているんだな、それってすごいお仕事だなと思い、歌手を目指すようになったんです。

――昨年、『THEカラオケ★バトル』(テレビ東京系)という番組に初出場して初優勝。得点は99.248でした。その後も定期的に出場されてますね。

門松 はい。演歌ではない、J-POPなどを歌わせていただいてます。昔はカラオケに行っても演歌ばかりだったのに、今はいろんなジャンルにチャレンジできることを楽しんでいます。

門松みゆき 3rdシングル「花の命」 COCA-17829¥1,227+税
門松みゆき 3rdシングル「花の命」 COCA-17829¥1,227+税

――1月に発売された新曲『花の命』(作詞/石原信一 作曲/藤竜之介)はシングル第3弾。聴きどころを教えてください。

門松 女性の生きざまを花に例え、一途に力強く歌っています。歌詞の中にエンヤという言葉があるのですが、それがとてもお気に入りです。

――えんやこらのエンヤ?

門松 そう思いますよね。でも、古くからある日本の言葉で、「艶冶」と書くんだそうです。なまめかしく美しいことを言うそうで、女性の凛とした姿を表しています。歌っていると、どんな人にも通じる深い愛の歌だなぁとしみじみ思います。私は来年で30歳になるのですが、5年10年と歌い続けていったら私の中での解釈がどう変化していくのか、楽しみなんです。

うんと年上の方が好き!

門松みゆき
門松みゆき (C)週刊実話Web

――自分が持っている恋愛観と比べてどうですか?

門松 1人の男性を一途に思えるのはすごいなと思いますし、素敵だなと思います。私は割と淡泊で、干渉するのもされるのも苦手なタイプなんですけど、歌いながらそういう女性を演じられるのは幸せです。

――干渉されたくないということは、ヤキモチも焼かない?

門松 はい、ほとんど。連絡が取れなくても全然平気だし、自分が好きだから大丈夫と思えるタイプです。

――長い黒髪から受ける、古風な女性のイメージとはちょっと違いますね。

門松 それはよく言われます。こう見えて、ヘビとかも平気なんですよ。先日も別のYouTube企画でヘビカフェに行ったんですけど、ニシキヘビ(?)を首に巻いて持たせてもらったらすごく愛おしくて。真剣に飼いたいと思っちゃいました。

――爬虫類系は苦手じゃない?

門松 全然平気です。虫とかも躊躇なく捕まえられます。おてんばで落ち着きのない子でしたから、そういう片鱗は今も残っているみたいですね。

――好きな人ができたら行動的で自分から行く?

門松 はい、ガンガン行きます。ダメならサッと引いちゃう(笑)。基本、うんと年上の方が好きなので、「こんな若い子が俺に? またまた、おじさんをからかうんじゃないよ」って、あんまり信じてもらえないことも多いのですが…。

――人生最大の悲恋とかはある?

門松 そこまでの恋はまだ経験がないのですが、上京して内弟子になる時、付き合っていた方と「歌を取るか恋愛を取るか」で大いに迷いました。ケジメの意味でお別れしたのですが、それがもしかしたら人生最大の恋だった気がします。

門松みゆき◆かどまつみゆき 1993年3月24日、神奈川県小田原市生まれ。子供のころから三味線、民謡、ダンスを習う。2019年『みちのく望郷歌』でメジャーデビュー。7月10日にコンサート『三の丸Covers』(小田原三の丸ホールにて)を開催予定。

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