韓国・新政権誕生で文在寅大統領“ブタ箱行き”まっしぐら!
3月9日に投開票された韓国大統領選挙で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソギョル)前検事総長が当選し、戦後最悪と言われる米韓、日韓関係の修復に向けた機運が芽生えてきた。
岸田文雄首相も11日午前に尹氏と電話で会談し、日韓関係の改善に取り組むことで一致した。
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尹氏は10日に国会で記者会見した際、「未来志向の日韓関係を築いていきたい」とコメントしているが、楽観視するのは時期尚早だ。
というのも、韓国は保守も左派も程度の差はあれ、反日に変わりはない。歴代の保守系大統領も、支持率が低下すると必ず反日政策を採ってきた。また、日本の歴代政権にも「遺憾」を繰り返すだけで、韓国の暴走を許してきたという〝前科〟がある。
さて、日韓関係の行く末を占う前に、まずは野次馬的に韓国の「お家騒動」を予想することにしたい。
前任の大統領が逮捕されるのは、もはや韓国の〝伝統〟である。特に昨年は朴槿恵(パク・クネ)氏(18代)が赦免され、獄中の李明博(イ・ミョンバク)氏(17代)が持病の治療のために入院、さらに90年代に逮捕された全斗煥(チョン・ドゥファン)氏(12代)、盧泰愚(ノ・テウ)氏(13代)が相次いで亡くなるなど、日本でも大統領経験者の運命に対して関心が高まっている。
「今回の大統領選での得票率は、尹氏が48.56%に対して『共に民主党(以下、民主党)』候補の李在明氏が47.83%と、1987年の民主化以降で最も僅差でした。わずか24万7000票差の辛勝です。実は戦略的協力関係にあった左派系野党『正義党』の女性候補・沈相奵(シム・サンジョン)氏が80万票を獲得しており、もし左派が一本化を果たしていたら、勝敗は覆されたかもしれないのです」(大手紙ソウル特派員)
尹氏は“物言えぬ植物大統領”
つまり「保守」vs「左派」という構図で見た場合、左派がわずかの差で勝ったとも考えられる。実際に300議席の国会議席のうち、現在172議席を野党の民主党が占めており、まず組閣人事から民主党に足を引っ張られる可能性が高い。「韓国では、大統領が長官を任命することはできますが、首相だけは国会承認が必要です。民主党の同意がなければ、首相すら自由に任命できません。同党はすでに選挙期間中から『尹候補がもし大統領になっても、結局は物言えぬ〝植物大統領〟になると脅してきました。大統領選の前から『尹弾劾』の可能性を口にしていた議員もいたほどです」(在日韓国紙記者)
となれば、選挙期間中に強調してきた文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する積弊(長い間、積もり重なった弊害)清算捜査や、李氏の各種疑惑に対する捜査が、今後、難航するかもしれない。
ただ、そこは元エース検事の尹氏が、いずれは文在寅派を追い詰めるとみられ、尹氏も『中央日報』(2月9日付)のインタビューにおいて「積弊清算はやらなきゃいけないでしょう」と、韓国の政界に「ふさわしくない人物の清算」をすると公約的発言をしている。
文氏に捜査が及ぶ可能性があるのは、月城原発経済性評価捏造事件と蔚山市長選挙介入事件である。
「月城原発の件では、文政権が掲げた〝脱原発政策〟のために、公務員が月城原発の経済性評価を操作して、早期閉鎖しようとした疑いが持たれています。当時の検察は、文氏が『なぜまだ月城1号機は稼動しているのか』と産業部長官を叱責した翌日、韓国原子力安全委員会が緊急会議を招集して原発の早期閉鎖を決定した点を問題視。文氏の関与まで視野に入れて、捜査を展開していました」(韓国ウオッチャー)
家族ぐるみで億単位の不正疑惑
しかし、当時の秋美愛(チュ・ミエ)法務長官が捜査阻止に動き、尹検事総長(当時)を懲戒処分から辞任に追い込んだうえ、崔宰亨(チェ・ジェヒョン)監査院長も辞任させた。ただし、この一件が尹氏を政界入りさせる契機となり、崔氏も大統領選挙とともに行われた補欠選挙で、晴れて国会議員に当選。文政権側にとっては完全な〝オウンゴール〟となっている。2つ目の蔚山市長選挙介入事件とは、文氏の親友である宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏を2018年6月の蔚山市長選挙で当選させるため、大統領府があえて蔚山警察庁に、対立候補に対する捜査を指示したという疑惑だ。
「こちらも月城原発事件と同様に、捜査を指揮していた検事らが法務部によって異動させられ、捜査はうやむやになりました。現在は一部裁判中ですが、大統領府の主要関係者らは全員不起訴処分となっています。これを新大統領となった尹氏が蒸し返すかどうか、文氏は生きた心地がしないでしょう」(同・ウオッチャー)
ほかにも文氏の息子と娘が関連した政府特典支援の不正疑惑や、妻の金正淑(キム・ジョンスク)氏が大統領府で〝女帝〟として振る舞っていたことに対する責任の追及が求められている。何しろ金氏は衣装代だけで、韓国国民の税金数億ウォンを使ったという疑惑が浮上しているのだ。
また、文政権は太陽光、風力発電事業を推進したが、政府主導の過程でさまざまな不正疑惑が発生した。李明博政権の4大河川事業に支払われた資金が約22兆ウォンなのに対し、文政権が指定した「公共部門働き口創出」事業は、その4倍にも達する予算で、臨時職や契約職など雇用創出の実績を数字的にでっち上げていたといわれる。
文氏は5月9日に大統領を退任した後、ひとまずは慶尚南道梁山市に建てられた豪華な私邸に住むという。ブタ箱入りの危機にさらされながら、眠れぬ夜を過ごすのだろうか。
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