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吉本興業『BSよしもと』が民放テレビ全体にトドメ?地上波バラエティー衰退か

なんばグランド花月 
なんばグランド花月 (C)週刊実話Web

大手芸能事務所の吉本興業ホールディングス株式会社が、この3月21日から『BSよしもと』を開局する。

これまでさまざまな映像事業を行い、現在も所属タレントがYouTubeの動画配信を行っている吉本興業が〝BS〟とはいえ、ついに放送事業へ本格的に参戦することになる。

この動きに、テレビ各局は危機感を募らせているという。

「おそらく『BSよしもと』の番組には、人気のある中堅芸人を中心に吉本興業のタレントが勢ぞろいします。テレビ業界では、この『BSよしもと』の取り組みを快く思っていません。吉本も主要な取引先となるテレビ局に気を使って、『ダウンタウン』や『千鳥』などの人気芸人は、出演させないと話していますが、その言葉を信じている関係者はいないですよ」(民放関係者)

特に『BSよしもと』を巡っては、吉本興業とフジテレビが微妙な関係になっているという。

「3月いっぱいで、フジテレビを退社する元アナウンサーの久代萌美は、吉本興業に所属することが発表されています。どうやら、彼女は『BSよしもと』を中心として活動していく予定となっているようです。さらに、フジテレビが行っている早期退職者制度に、応募した社員が『BSよしもと』の制作に参加するという情報も出ている。これまでテレビの第一線で活躍していた社員が多く関わるので、かなり本格的な番組を作っていくつもりだろうといわれています。フジテレビは苦々しい思いで『BSよしもと』の開局を見守ることになりそうです」(同・関係者)

今回の吉本興業のBS参入は、フジテレビだけでなく、民放テレビ全体にトドメを刺すことになるかもしれないという話も伝わってくる。

ザワついているのはフジテレビだけではない

「民放各局は、50歳以下の視聴者をターゲットにするコア視聴率を獲得するために、若者向けの番組を制作する体制に移行している。その影響で、現時点でテレビのメイン視聴者層となるシニアは、どんどんBSへ移行していますよ。人気のあったテレビ朝日系の『パネルクイズ アタック25』やTBS系の『噂の東京マガジン』が地上波からBSに移行。これにより、さらにBSの人気は高まりそうです。広告代理店の間でも、BSの広告枠がよく売れるといわれているし、チャンネルコンセプト〝地方創生〟で地域密着『BSよしもと』が好調な滑り出しを見せるようならば、今後は民放各局を脅かす存在になる可能性があります」(テレビ雑誌編集者)

抜本的な解決策もなく、テレビ局はこのまま衰退していくことになってしまうのか…。

「大手広告代理店と組んでコア視聴率を獲得する取り組みをしていますが、若者の視聴習慣はYouTubeに完全に支配されている。シニア層もBSに移行すれば、民放テレビ局の視聴者がどんどん減っていきます。現在は、それぞれのキー局が抱えているBSの放送局に人材を派遣して、人材交流を頻繁に行うようになっているようです。キー局系列のBSの局でも強力な番組を作って盛り上げようとしている。これまでは、キー局にとってBSの放送局はお荷物扱いでしたが、『BSよしもと』の独占を阻止するためにも重要な存在になっていきそうです」(前出の民放関係者)

芸人という最強のコンテンツを抱える吉本興業が、テレビ局を越える日もそう遠くないのかもしれない。

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