女子プロテニスプレーヤーの大坂なおみが、またメンタル面の弱さを指摘されている。
現地時間3月9日から米カリフォルニア州インディアンウェルズで行われている「BNPパリバ・オープン」の4日目、2回戦に出場した大坂は、世界ランキング24位で第21シードのベロニカ・クデルメトワ(ロシア)と対戦。
第2ゲーム開始前に観客席から「なおみ、最低!」と罵声が飛んだ。
「大坂は、審判に何かを訴えたが認められず、試合は続行。試合中に泣き出し、負けてしまったんです。大坂は、野次に対して相当動揺している様子でした」(スポーツライター)
試合後、マイクでの発言を許可された大坂は、「私はただ、ありがとうと言いたかっただけ」と切り出し、「以前も野次られたことはあった。ここでビーナスと、セリーナが野次られているビデオをみたことがあります(2001年にウイリアムズ姉妹に向けられたブーイングと野次のこと)。あなたがまだそれを見てないのなら、見てほしい。理由は分からないけど、それが私の頭に浮かび、何度も再生されました」と、涙を流しながら訴えたのだ。
「自分を大切に」とナブラチロワ氏
ところが、ネットには大坂に対する厳しい意見が目立つ。
《ヤジはあまり良いことではない。ただ、そもそもスポーツを観戦する人は、選手のプレーや勝敗によって一喜一憂しする事によってストレス発散しているという一面もあると思う。相手が強くて応援している選手が劣勢の時は、感情移入しすぎて相手選手が憎たらしく思う事もある。スポーツのそういった人間の本質的な感情を動かす力が人気を集める理由だと思うので、多少のヤジ程度は認められた証としてスルーすればいいと思う》
《観客のマナーは、確かに問題だし認められることではないけれど、プロとしてプレイしていく上で、そういうこともあるという事は事実。それらを今すぐ無くすことは現実的でないし、他の選手でも観客の態度に怒って言い返すこともあった。プロスポーツは、お金を払って、プレイを見に来るビジネスでもある。そのことを忘れていないかな? 多額の報酬を得たのも、プレイあってこそ。勝って、いいマナーで見て欲しい!と訴えればいい》【《》内はすべて原文ママ】
元世界ランク1位のアンディ・マレーは、「なおみには同情する。明らかに動揺していた」としつつ、「でも、スポーツには常について回るものだよ。ある意味、覚悟を決めて、それを許容できるようにならないといけない」と語っている。
また、4大大会の女子シングルスで18回優勝したマルチナ・ナブラチロワ氏も、「心が痛む」と同情を示しながらも「(大坂は)どうにかして強くならないといけない」「これは彼女が対処しなければいけない問題」「なぜなら、また同じようなことが起きるから」と指摘。「もしできないのなら、対処できるまでプレーはしないで。まず自分を大切に」と大坂にエールを送った。
かねてメンタル面の弱さを指摘されてきた大坂。昨年、試合中に観客席へボールを打ち込んでバッシングされて以来、逆境が続く大坂だが、どうにか克服して再び輝きを取り戻してほしいものだ。
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