昨年の4月から米ニューヨークを拠点に活動しているタレントの渡辺直美。彼女を侮辱する演出案により、東京五輪開閉会式演出担当の佐々木宏氏が辞任した事件から、早1年がたとうとしている。
この件はさまざまな波紋を広げたが、中でもお笑い『メイプル超合金』カズレーザーの〝セカンドレイプ〟にも等しい発言は忘れてはならないだろう。
昨年3月17日、『週刊文春』が、佐々木氏が「オリン〝ピッグ〟」なるダジャレで渡辺を豚に見立て、大観衆の前で晒し者にする演出を考案していたことをスクープした。これは多様性や反性差別が求められる国際イベントの精神に反するとして炎上し、佐々木氏は担当を辞任。渡辺にも同情が集まることとなったが、本人は《私自身はこの体型で幸せです》などと発表した。
これに対し、当時レギュラーを務めていた『とくダネ!』(フジテレビ系)でモノを申したのがカズレーザー。「正直、この件について何とも思ってないはずなんですよ。全く興味もない」と渡辺の心中を察し、「けど『何とも思ってない』って言うと、『なぜ何とも思わないんだ』って批判の対象になるから、何かコメントを出さざるを得ないんで、こういう大人の文章を出したと思う」と続けると、「ここだけ切り取って出されてっていうのは不平等な感じしますね」と佐々木氏を擁護した。
いわば、「渡辺は気にしていないが周囲が騒いでいるだけ」との認識を示したカズレーザーだったが、この憶測は大きく外れることとなる。
泣くほど傷ついていた渡辺直美
この放送の夜、渡辺はYouTubeの生配信で「報道を見て傷つく人がいるだろうなと心配しました」「同じように悩んでいる人もいるし、やっと乗り越えた人もいる」などと発言。その後も言葉を選びつつ、「コンプレックスで悩んだり乗り越えた人も思い出してしまうような、すごくネガティブな内容だったし…」「私の中ではこの体をポジティブに伝えてきたつもりだった」など、体型に悩む人を勇気づける努力が、この件で台無しになってしまったと残念がっていた。
そして、ついには目に涙を浮かべ、「時代とともにみんながアップデートしていくわけじゃん」「ちょっとずつ『これって良くないんじゃない?』って」「今回のこの件でもう一度そこ(前時代的価値観)に戻された。結構なことだなと思ったの。ショックだなーと思った」などとコメント。演出案についても、「私は絶対に断ってます。その演出について批判する。意図が全く分からない」「『私がブタである必要性ってなんですか?』って言ってる」とも話し、カズレーザーの「気にしていない」との憶測とは裏腹に、泣くほど傷ついていたところを見せたのだった。
「この4日後、『とくダネ!』で同問題の続報にコメントを求められたカズレーザーは、『この件に関しては、僕は渡辺さんにとって侮辱する側の人間になってしまったのでぇ…』とノーコメント。アテが外れて不満なのか、『言葉を発する資格は持ってないと思うんですけど…』と明らかにフテくされながら語りました。しかし彼がやるべきは、『資格はない』『侮辱する側に〝なってしまった〟』という自己弁護ではなく、渡辺に直接謝罪することでしょう」(芸能記者)
あれから1年がたち、『とくダネ!』も終了してしまったが、果たして謝罪は行われたのだろうか。
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