JRA重賞『金鯱賞』（GⅡ）映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想！

完全にヘグった！　先週の弥生賞で田辺アスクビクターモアが快勝した瞬間、テレビの前でそう呻いた。

そりゃ、ディープインパクト記念という〝冠〟も承知だし、過去その産駒が大活躍というレースであることも知っていた…でも、そろそろそのジンクス、打ち止めじゃねえ？　「まだはもう、なり」と言うでしょ。戦績の割に3番人気に祭り上げられているし…と勝手に得心して、キレイに外してしまった。嗚呼。

軸の武豊ドウデュースは2着に踏ん張ったし、〝映画関連馬券〟でも「世界の歌姫レディー・ガガのヒット・タイトル」と推奨した9番人気の石橋ボーンディスウェイが3着に粘ったというのに。これで4連勝を逃し、今年の当欄トータルでもマイナスに逆戻りしてしまった。顔を洗って、褌を締め直して、出直します！

それにしても、サウジでゲン直ししたと思ったルメール大将が、先週コロナ陽性となり、無症状とはいえ隔離生活に入り、騎乗とりやめ。不在の間にリーディングも岩田望に抜かれ、3位に転落してしまった。今週も騎乗予定はないようで、先行きが少々心配になってくる。ドバイには予定通り行くようだが、はてさて。早期の〝完全復活〟が待たれる。買うにしても、蹴るにしても、何だかんだで、やはりルメール大将（及びその騎乗馬）は気になるものである。

で、今週は、阪神の桜花賞TRフィリーズレビューも重要なレースで、未練が残るところだが、格的には同じGⅡでも、敢えて中京の金鯱賞を狙いたい。理由は簡単至極。先週は重賞を〝休んだ〟岩田パパがショウナンバルディで参戦するからだ。おまけに土曜（12日）は岩田パパの誕生日だし、1日遅れのバースデーを自ら祝う、という快挙を実現させるかも。

同じくご贔屓である幸、松山もアカイイト、ステラリアの〝エリザベス女王杯大穴コンビ〟を継続してエントリーしているのも注目で、また穴を開ける可能性はある。〝騎手で買う派〟でもあるボクとしては、そんなわけで、コッチにした次第。当欄では、先日の阪急杯のように、レース選びが明暗を分けるのも先刻承知之助ではある。コッチで正解！　となってほしい。

レイパパレ＆ポタジェは目をつぶって軽視

この3頭に目下4連勝中の上がり馬で〝令和のサイレンススズカ〟ともいわれている藤岡佑ジャックドール。重賞初挑戦の今回が試金石となるだろう。ここで勝てばいよいよホンモノ、というところか。これに中京も2千も得意の鮫島駿サンレイポケットも加えての5頭ボックスを買いたい。人気の一角となるだろう川田レイパパレは負け知らずの国内2千だが、吉田隼ポタジェとともに馬もヤネもこのところバイオリズムが悪そうで、目をつぶって軽視する。来たらゴメンね。

〝映画関連馬券〟は、ショウナンバルディから『湘南爆走族』（87年）を。コミックス原作の映画化で、〝心優しい暴走族〟の面々の涙と笑いと友情をストレートに描いた快作で、今やスター男優として確固たる地位を築いている江口洋介、織田裕二らのデビュー当時の作品でもあり、そのツッパリぶりが初々しい！

あとはジャックドールから、こちらも邦画の『ロマンスドール』（20年）を。ラブドール（昭和風に言えば、ダッチワイフ）作りの職人とその妻の愛情を描く異色作で、高橋一生と蒼井優との一種凄絶な夫婦愛が見ものだった。こういう〝風俗映画〟を女性監督タナダユキが正面切って作るところがあっぱれである。

コロナ陽性者数は下降気味で何よりだが、ウクライナでの戦闘は収束どころか、ドロ沼の様相を呈しているし、物騒なハナシも飛び交っている。〝戦い〟は競馬とか、野球だけにしてほしいよ、ホント、と切に願うばかり。不自由な状態とはいえ、今週も何とか競馬ができる喜びを噛み締めつつ…。

最終的な買い目は、すっきり①③⑥⑪⑬5頭ボックス馬連＆3連複。春のGⅠ戦線に向け、焦らず、まだまだ様子見馬券としよう。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年　パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』（キネマ旬報社）など。