今年もJRや大手私鉄などの各鉄道会社が、3月半ばを中心にダイヤ改正を予定している。
「コロナ禍前のダイヤ改正は、混雑の解消やスピードアップを意識したものでした。しかし、今季は顧客へのサービス向上をうたいながらも、よく見ると鉄道会社にとって効率的なダイヤ改正が多いようです。リモートの浸透による利用者の減少により、クレームが減ったという皮肉な現状もありますが…」(鉄道評論家)
鉄道業界はコロナ禍で苦しむ業界の代表格というイメージだ。しかし、意外にも2021年度第3四半期(4月~12月)決算を見ると、JR九州や私鉄大手のほとんどが最終黒字となっている。また、JR東日本、東海、西日本も赤字幅を縮小させており、昨年10月~12月だけを見れば3社とも黒字化しているのだ。
周辺の環境は依然として厳しい…
「鉄道会社はご存じの通り、不動産やホテル、流通、建設、飲食など、あらゆる関連事業で構成されています。そのため、利益に占める比率は各社ごとに異なり、一括りにはできません。ただ、各社とも本業である旅客運輸部門の経費削減などを推し進め、筋肉質の経営になってきている傾向にあります」(経済アナリスト)
しかし、年明け以降のオミクロン株の影響から鉄道利用者数は再び減少に転じており、周辺の環境は依然として厳しいと言わざるを得ない。
「京成電鉄の秘蔵っ子であるディズニーランドを運営するオリエンタルランドですら、今や赤字の世の中。鉄道会社にとって、周辺事業の黒字化や整理は待ったなしで進めていかなければならない状況です」(同)
ダイヤ改正で一喜一憂していることが小さく感じてしまうほど、コロナ禍に端を発した鉄道ビジネスの地殻変動は大きなものになりそうだ。
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