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六代目山口組VS神戸山口組の極秘“抗争終結条件”血の対立の果てに…

(C)週刊実話Web

六代目山口組(司忍組長)と神戸山口組(井上邦雄組長)の分裂抗争は、今年、重要な局面を迎えそうだ。終結を急ぐ六代目側が、〝最後の一手〟を打つ可能性があるからだという。

「分裂から約6年、髙山清司若頭の現場復帰から約3年が経ち、六代目側は昨年内の終結を目指していた。実現には至らなかったが、神戸側への切り崩しを続けており、プレッシャーを掛けている。その一方で、警告を含めた発砲事件も起き、武力行使の姿勢も変えていない。双方にとって面子を懸けた戦いであり、六代目側にとっては、ヤクザ業界内でのパワーバランスにも関わる問題だ。今年こそ終結させるべく、最終攻撃に打って出るタイミングを探っているのではないか」(業界ジャーナリスト)

実際、コロナ禍でも各ブロック会議が行われ、さらなる団結を直系組長らに呼び掛けたという。

「一部のブロックでは、警察への対策も議題に上がったと聞く。まあ、本題は組織運営に関する内容で、今後の連携が再確認されたそうだ。暗に、神戸側との衝突に備えておくように、という意味合いもあったと思う」(他団体関係者)

六代目山口組が目指す分裂終結の〝着地点〟は、菱の代紋の統合であり、それには神戸山口組トップ・井上組長の進退が関わってくる。しかし、当の井上組長は「最後まで戦う」との意志を示しており、双方の思惑は相反するままだ。

「終結に当たって、六代目側が譲歩することは絶対にないだろう。過去を振り返っても、山一抗争では一和会の解散とトップだった山本広会長の引退、さらに本家への詫びによって終結が図られたのだから」(前出・業界ジャーナリスト)

六代目側が強硬な姿勢を見せている背景には、分裂当初、神戸側が出した〝声明文〟の内容も無関係ではないという。

「神戸山口組の発足に当たって、各関係先に井上組長の名で挨拶状が送付された。その中で六代目体制を痛烈に批判し、歴代親分の意を遵守するために新組織を結成したとしていた。これが神戸側の大義だったが、六代目側にしてみれば盃を裏返した上に公に批判されたのだから、譲歩の余地など端からないはずだ。条件を出すにしても、0対100しか考えられない」(同)

旗を上げ続けることが“報復”

対する神戸山口組は当初、六代目体制の〝改善〟を求めていた印象だが、六代目側のある通達を境に方針を転換した。

分裂の首謀者とされる井上組長、入江禎副組長(二代目宅見組組長=大阪中央)、寺岡修若頭(俠友会会長)、池田孝志組長(池田組組長=岡山)、正木年男組長(引退)の5人には、分裂直後に絶縁が下されていた。二度と組織に戻れないことを意味し、神戸側は司六代目と髙山若頭の出身母体である三代目弘道会(竹内照明会長=愛知)を名指しして「敵」とした。六代目山口組全体と敵対するわけではなく、あくまでも一大勢力の弘道会と対峙する構えだった。

しかし、六代目側がその後、井上組長たちに〝永久追放〟を通達したため、「我々は終生、六代目山口組に戻ることはない」との方針を示し、敵意を強めた。

「池田組が脱退し、正木組長も引退した。さらに、井上組長が四代目を務めた中核組織の五代目山健組(中田浩司組長=兵庫神戸)も六代目側に帰参し、神戸側の大義が崩れつつある。それでも組織存続を掲げる神戸側にとって、分裂を終わらせる条件など無いに等しいだろう」(前出・業界ジャーナリスト)

平成28年5月に池田組若頭が射殺される直前、水面下では双方が接触したという噂も囁かれたが、具体的な動きがないまま流血事件が相次いだのだった。

6年以上に及ぶ抗争によって、神戸山口組からは複数の犠牲者が出ており、直系組長にも被害が及んだ。六代目山口組の攻撃は神戸側の結束に異変を生じさせた反面、新たな敵意を生む結果になったともいえる。

「神戸側が一斉報復に出なかったのは、逮捕者や服役者を出すことで若い衆の将来を案じたからやろな。守りに徹しているようにもみえるが、武力に武力で押すのは本意やないはずや。それに血が流れとるから、六代目側の〝条件〟をすべて飲むいうわけにはいかんのやないか。神戸山口組の旗を上げ続けることが、最大の報復といえるのかもしれん」(関西の組織関係者)

他組織が仲裁に入る可能性も指摘されてきたが、ある関東の他団体幹部は、現状では「まだその時期ではない」と話す。

「他組織の関係者でも、個人の縁などを通して水面下では何らかの働きかけを行っていると考えられるが、あくまでも組織としてではないだろう。これは山口組の問題であり、ナーバスな内容だからだ。決着がついた最後の最後に、形として表立った存在を立てる可能性はあるが」

「事はすでに動いている」

警察当局も両山口組への警戒を強めており、2月16日には六代目山口組ナンバー4・森尾卯太男本部長(大同会会長=鳥取)を、鳥取県警が銃刀法違反の容疑で逮捕した。

さらに当局は、分裂抗争においてヒットマンを出した安東美樹若頭補佐率いる二代目竹中組(兵庫姫路)にも、牙を剥いたのだ。

「2月20日、愛知県警が竹中組の村上茂徳若頭と傘下組員を、詐欺の疑いで逮捕しています。村上若頭がトップを務める二代目篠原会の組事務所ビルを、平成28年に組員が身分を隠して約2100万円で購入したとする内容でした。村上若頭は容疑を否認し、組員は黙秘しているとのことです」(全国紙社会部記者)

神戸山口組との対立抗争では、竹中組に所属した朝比奈久徳元組員(本名・安東)が、令和元年11月に兵庫県尼崎市の路上で古川恵一幹部を射殺。翌年8月には、村上若頭の篠原会から高杉龍組員がヒットマンとして出ており、山口県岩国市で神戸山口組系組幹部(当時)に重傷を負わせる銃撃事件を引き起こした。

「そういう背景あっての逮捕ちゃうか。村上若頭は安東組長の右腕やし、分裂抗争でも最前線に立ってきたんやから、警察は今後の動きを探りたいはずや。竹中組に対して警戒しとるいうことやな」(ベテラン記者)

また、六代目山口組内部では直参に関する人事があったという。2月23日に、清田健二・十代目瀬戸一家総裁(愛知)が「幹部」を退任したことが分かったのだ。

「予期せぬ退任だったが、本人の意向あってのことだと聞いている。今後も、組織に尽力していくことに変わりはないだろう」(山口組ウオッチャー)

六代目山口組は新型コロナ感染拡大〝第6波〟の中にあっても、執行部会を開催。組織運営を担う最高幹部の集結は戦略会議を意味し、分裂終結を急いでいることがうかがえる。

「これまでの事件の多くが、綿密な計画を練った上での犯行だというのが分かる。現在の膠着状態も、水面下で準備が進められているからにすぎず、事はすでに動いている危険性もある」(前出・業界ジャーナリスト)

再び沈黙が破られる日は、近いのかもしれない。

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