
『たかじんnoばぁ~』にレギュラー出演することになって初めての収録後、たかじんとホテルのバーで飲んだんです。俺は酔った勢いで「今月か来月かわからんけど、たけしを連れてくるわ」とポロッと口に出してしまった。
たかじんが「あのたけしさんですか?」と聞くから「どのたけしさんやねん。1人しかおらんやろ」「大阪に来てくれはるんですか?」「言うてみなわからんやろ」。そんなやり取りがありましたね。
東京に戻って毎日のように会っていた、たけしに事の成り行きを話すと「何言ってんだよ。俺が大阪へ行くのかよ」と渋るから「東京の番組のようなギャラは出ないけどエエやん」と丸め込もうとしたんですが、その話は立ち消えになった。
1カ月後、その話を思い出した俺は「大阪に20人くらい女の子がいる、いいクラブがあるねん。しかも、午後の3時から飲めるから行こ」と、たけしを誘ったんです。そうしたら「それはたかじんの番組だろ。東京にだって女の子が20人いるクラブはあるよ」とバレバレでしたね。『たかじんnoばぁ~』は女の子が周りを囲んで、お酒を飲みながらの収録だったんです。でも結局、たけしも番組に出演することになった。
収録当日、たけしを出迎えに読売テレビの玄関には社長はじめ17~18人が待っていましたね。収録は2時間半ぐらい大盛り上がり。2回に分けて放送することになったんです。収録後、プロデューサーが俺の楽屋へ来て「なんぼ払えばいいの?」と恐る恐る尋ねるから「金のために来たんじゃないから適当でエエよ。でも、2本分は払ってあげて」とお願いしました。
「殿のために歌います」
その後、俺とたけし、たかじんの3人で飯を食いに行ったんです。神田川俊郎さんの店でしたね。しばらくすると、たかじんと神田川さんがひそひそ話しているのが聞こえてきた。
「昨日来て、あれとこれを出してと言うたやん」
たかじんに聞くと、前日にわざわざ下見に来ていたんです。どんだけたけしに気を遣うのかと思いましたよ。俺にも気を遣えってね。2軒目の北新地のクラブも、たかじんは下見していたみたいです。その席で、たけしはたかじんにこう話してましたね。
「あんちゃん、洋七の言う通りだよ。仕事ってのは自分から断ったらいけないよ。芸や歌をバカにされたら断ってもいいけど。テレビに出たい、コンサートを開きたい、そのために頑張ってきたんだろ。俺なんか売れなくなっても、番組1本でも出ちゃうよ」
帰りの新幹線で「洋七も結構、いいことやるじゃねえか」と、たけしから褒められましたよ。東京でコンサートを開く時には、行く約束もした。後日、コンサートが開かれて顔を出しました。ビックリしましたね。たかじんは普段の話し声と歌声が全く違うんですから。
コンサートが終わって、また3人で飲みに行くことになった。でも、日曜日だから店が開いてなくて、たけし軍団が探してきた六本木の小綺麗なスナックへ入りました。たかじんは「殿のために歌います」とマイクを握って言うから、「俺は何やねん?」と突っ込んだ。たかじんは慌てて「洋七さんのためにも」と付け加えた。爆笑ものでしたよ。
島田洋七
1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
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