米軍が警告する「金正恩“斬首”作戦」決行!ビンラディン再び…
飢える国民を眼下に眺めながら、北朝鮮は1月だけで7度にわたり計11発のミサイルを発射した。
米シンクタンク『ランド研究所』は、北朝鮮が最大で「6500万ドル(約75億円)」の費用を使ったとの分析結果を公表したが、これは約15万トンのコメを買える金額だ。
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「北朝鮮では今年、約80万トンの食糧が不足するとみられています。ランド研究所はミサイル施設や発射台、人員などにかかる費用は計算外としているので、実際には75億円以上の資金を注ぎ込んでいるでしょう」(北朝鮮ウオッチャー)
また、米政府が運営する国際放送『ボイス・オブ・アメリカ』は、2月11日に「民生を外部支援に依存しているにもかかわらず、莫大な費用を兵器試験に投入して住民たちの生活状況を悪化させるのなら、人道的支援の方法を変える必要がある」と指摘している。
「住民の世話を国連などに丸投げして核・ミサイル開発で隣国を恫喝しているのですから、盗っ人猛々しいにも程がありますよ」(同・ウオッチャー)
北朝鮮における一連のミサイル発射は、単に米国などの関心を引き寄せるためではなく、周到に計画した戦略的かつ戦術的目的に基づいて、集中的に行っているという。
米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(1月20日付)で韓国支局長は、《北朝鮮は核兵器とICBM(大陸間弾道ミサイル)の実験再開を考えている。金正恩政権は米国との長期的対決に備える必要があると、朝鮮労働党の政策決定最高機関(政治局)が見解を示した》という内容の論説を書き、北朝鮮の武装強化に警鐘を鳴らした。
実験決行日は3月9日か4月15日…
実際、2月7日に米シンクタンク『戦略国際問題研究所』は、衛星写真などの分析結果から、中国国境に近い北朝鮮北部に未公表のミサイル基地があり、ICBMが格納されている可能性を示唆している。1月30日、日本海に向けて発射された飛翔体は、米領グアムにまで届く中距離弾道ミサイル(IRBM)『火星12型』であることが分かっているが、今後、米国本土を射程内に収めるICBM『火星15型』を発射する日は来るのだろうか。
「特に危険視される日は、韓国大統領選挙が行われる3月9日、もしくは金日成主席の生誕110周年記念日である4月15日です」(国際ジャーナリスト)
もし北朝鮮が火星15型を発射するとなれば、2018年4月に表明した核実験とICBM発射の中止決定を反故にすることになる。米バイデン民主党政権としては、北朝鮮が堂々と〝レッドライン〟を越えるのを傍観しているわけにはいかない。トランプ共和党政権に比べて、対北朝鮮政策で弱腰という世論が広がれば、支持率がさらに落ち込んでしまうからだ。
「11月の中間選挙をにらんだバイデン政権が、支持率上昇のための軍事行動まで視野に入れ、強硬手段に踏み切ることも考えられる。北朝鮮にしてみれば、核実験やICBM発射の再開は危険すぎる賭けだ」(同・ジャーナリスト)
北朝鮮外務省は2月8日、米国に対して「世界で水爆やICBM、極超音速ミサイルまで保有する国はわずかである」と前置きしたうえで、「米国と対峙し、米本土を射程に収めて試射まで行い、世界を震撼させている国は地球上で我が国だけだ」と豪語した。
特殊部隊『ネイビーシールズ』の動きが…
しかし、その翌日の9日には、在韓米軍特殊作戦司令部(SOCKOR)がフェイスブックを通じ、《昨年11月から12月にかけて米海軍の特殊部隊『ネイビーシールズ』らと共に、極寒期の海上および地上領域で訓練する機会があった》と発表している。「訓練場所は明かされていないが、数カ月前に行われた訓練をこの時期に公表したのは、それなりの理由があるようだ」(同)
米国はシンガポールで史上初の米朝首脳会談が行われた18年6月以降、この種の訓練事実を対外的に公開しなかった。北朝鮮を不必要に刺激するのを避けるためだ。それだけに訓練予告ではなく、すでに終了済みの訓練を公表するのは尋常ではない。
ネイビーシールズは陸海空を問わず、偵察、監視、ゲリラ戦などの特殊作戦に対応できる高い能力を持ち、11年5月には国際テロ組織『アルカイダ』の指導者だったオサマ・ビンラディン容疑者の殺害を遂行している。
「米特殊部隊は朝鮮半島有事の際、主要施設の爆破や爆撃を精密に誘導する任務を帯びている。また、平壌を制圧する『作戦計画5015』には、核兵器承認権者である正恩氏を抹殺する〝斬首作戦〟も含まれています」(軍事アナリスト)
さかのぼれば昨年9月、北朝鮮が四度にわたりミサイルを発射したときも、SOCKORは「チークナイフ訓練」を行った事実を公開していた。これは敵陣に特殊部隊を潜ませた空輸部隊を潜入させる訓練を指し、異例なことに90年代から同訓練を実施していたことまで明らかにした。
「SOCKORが情報を公開した背景には、北朝鮮のミサイル発射へのいら立ちがあります。ビンラディン容疑者を殺害したネイビーシールズの訓練に、あえて写真付きで触れたのは、これ以上、北朝鮮が挑発を繰り返せば、もう黙っていないとの〝警告〟と言えるでしょう」(同・アナリスト)
ミサイルを撃てば寒し、独裁者の首…。
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