(画像)Mix and Match Studio / shutterstock
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生活必需品の値上げ拡大…深刻な原油高がインフレ懸念に拍車!

コカ・コーラ ボトラーズジャパンは5月1日の出荷分から、『コカ・コーラ』『ファンタ』『アクエリアス』『綾鷹』など大型ペットボトル製品を約5~8%値上げすると発表した。


「マクドナルドのフライドポテト不足もそうですが、世界的に原材料価格や物流費が高騰している。また、中国の〝爆食〟も供給不足の原因です」(経済エコノミスト)


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昨年から生活に密着したパスタやうどん、パンやマヨネーズ、トイレットペーパーなどの価格が上がり、電気やガス料金も値上がりする。4月にはウイスキーの値上げも予定され、すでに買い占める人が増えて品薄になりつつある。


「アメリカではアパレル、食料品などの生産コストが上がり、人手不足による物流費の上昇も物価の押し上げ要因となっている」(国際ジャーナリスト)

なぜ石油元売り会社だけに補助金を出すのか…

インフレ懸念の中で最も深刻なのは原油高だという。国内においてもガソリン価格は高止まりが続き、1月にはレギュラーガソリンの小売価格が全国平均で1リットル当たり170円を突破した。

これを受けて政府は、ガソリン価格の上昇を抑えるという名目で、石油元売り会社に補助金を支給する異例の対策に踏み切った。


「補助金の額は1リットル当たり3.4円ですが、消費者に還付するわけではなく、なぜ元売り会社だけに補助金を出すのか理解できません」(経産省関係者)


石油原産国は、脱炭素の流れを食い止めようと供給を少なく調整しており、原油価格の上昇が続けば第3次オイルショックへの危惧も高まってくる。


今後、インフレが加速すると消費離れにつながり、企業や家計の圧迫は避けられない。賃上げに取り組む岸田政権の牙城を崩しかねず、夏の参院選にも影響しそうだ。