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JRA重賞『フェブラリーS』(GⅠ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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ついに! やっと! 先週の重賞「共同通信杯」を見事的中し、片目が開いて安堵した。もうこの先ずっと当たらないんじゃないか、と自己嫌悪気味に。何せ、今年に入って本コラムの重賞予想は5連敗。実はヒヤヒヤもん。

自信がある時なら、アサヒ1本軸で買うところだが、文中に「縦目に備えて慎重に、とりあえず5頭ボックスでいくのは自信のなさの表れか」と記したように、臆病風が結果的に功を奏したようだ。軸を外しているのだから、大威張りはできない。馬連960円はガミだしね。〝映画関連馬券〟でも推奨したアサヒは馬体重が大幅増だったし、ゲートが開いたとたん、痛恨の出遅れ。その時は目を覆い、思わず〝終わった…〟と呟いたっけ。

だが、皆の衆、しかし、BUTである。捨てる神あらば拾う神あり。3連複の3着に人気薄(8番人気)ビーアストニッシドを「横山典に負けじと、ベテラン騎手の奮起を期して岩田康…」と狙ったのが正解で、見事ボックスで3連複6640円の高配当を仕留め、堂々のプラス決算で連敗街道からの脱出を遂げたのであった。私とともに、今年に入って〝連敗トリオ〟を形成していた(?)〝1番人気〟は16連敗に延び、〝ルメール騎乗馬〟は9連敗と継続中だが、当方は5連敗でストップ、イチ抜~けた。もう余裕こいちゃって、ルメール大将に「最近は2着は多くなったから、そのうちトンネルは抜けるさ。春の来ない冬はないよ」と、偉そうにアドバイスしたりして(笑)。ルメールさん、ゴメンナサイ。

それにしても、勝ったのは、ダノンはダノンでも、朝日杯3着のスコーピオンではなく新馬を勝ち上がったばかりのベルーガとは少し驚いた。人気過剰だし(3番人気)、鞍上は、昨年7番人気で穴を開けたご贔屓・松山だけど、2着、3着でしょ…と思っていたら、何と鮮やかにジオグリフ(1番人気)を差したのだから〝大物!〟。

もっとビックリしたのは、どちらをチョイスするか最初は迷った西の京都新聞杯だ。勝ったのがブービー人気の国分恭アフリカンゴールドとは、アッと驚く為五郎~(古いね)。こちらはたとえ50通り買っても当たらなかっただろう。助かり、助かり。さて、オミクロン株もどうやらピークアウトに向かいつつあるようだし(専門家たちは相変わらず煽るのだろうが)、私の馬券もトンネルを脱出したことだし、勇躍、今年最初のGⅠフェブラリーSへと駒を!

“映画馬券”でテオレーマに飛びつきたいが…

まず、チャンピオンズCで惨敗したのに再びダートGⅠに参戦するソダシ。チャレンジ精神を称えたいが、自信を持って今度も消し。素人考えだが、早く芝に戻すべき。それは初ダートの武蔵野Sで惨敗のダイワキャグニーも同様で、芝に戻して京都金杯2着で穴を開けたのに、またダート? いくら〝二刀流〟ブームとはいえ…。

それと問題は〝1番人気〟と〝ルメール騎乗馬〟の取捨だろう。昨年はルメールの1番人気カフェファラオが快勝したが、今年も1番人気か。とはいえ今年の鞍上は福永に乗り替わり。ルメールは今回、人気薄テオレーマに騎乗では望み薄か。というわけで先週の結果に味を占めて、今週も1頭軸は回避し、5頭ボックス!

前出の福永乗り替わりにむしろ新鮮味を覚えるカフェファラオ。何と言っても東京コース3戦3勝だもの。〝1番人気の呪縛〟が不安材料だが、1番人気が強いこのレースで呪縛解除となるか、けだし見ものだ。ここを軸にしたい気持ちをグッと押さえて、交流重賞連勝中であり、アサヒでヘグった田辺が、先週から1週遅れで自身の誕生日を祝うかのアルクトス、武蔵野S勝ちの戸崎ソリストサンダー、先週穴を開けてくれた〝恩人〟岩田パパが継続騎乗の根岸S馬テイエムサウスダン、サウスダン同様千六はちと長いが、再度期待したい川田レッドルゼル。以上5頭。

〝映画関連馬券〟は、本来ならテオレーマから、鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の『テオレマ』(68年)がほぼズバリの名前だけに飛びつきたいが、テオレーマは無視だからなあ。そこでカフェファラオから『バグダッド・カフェ』(87年)を。ベガスとロスを結ぶハイウェイの砂漠にポツンとあるボロなモーテル「バグダッド・カフェ」にふらりと現れたドイツ女が織り成す人間ドラマの名作で、乾いたタッチがいい。

最終的な買い目は、馬連&④⑤⑥⑬⑮3連複5頭ボックスとシンプルに。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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