
ジャイアント馬場「裏切るよりは、裏切られたほうがいいじゃないか」~一度は使ってみたい“プロレスの言霊”
1990年、全日本プロレスは所属選手の大量離脱に見舞われ、危機的状況に陥った。
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いわゆる「SWS騒動」だが、これに対してジャイアント馬場は、直接的な怒りを見せることはなかった。果たして、その真意はどこにあったのか。
90年5月に発足した新興団体SWSには、全日本プロレスから天龍源一郎、ザ・グレート・カブキ、石川敬士、谷津嘉章、サムソン冬木(冬木弘道)、北原辰巳(光騎)、折原昌夫、高野俊二(拳磁)らレスラーに加えて、全日の古参スタッフも参加した。
この大量離脱を受けて、全日に残った選手やスタッフたちは怒りをあらわにしたが、それに対してジャイアント馬場は「裏切るよりは、裏切られたほうがいいじゃないか」と、語ったと伝えられる。
天龍は移籍を決める前に馬場と会談を持ち、きちんと話し合ったというから、裏切りどころかむしろ円満退社とすら言えるものだった。しかし、それでも天龍の後に多くの選手が続いたことを馬場が「引き抜き」と受け止めたならば、「裏切られた」と思っても仕方がないだろう。
ただ、実際に天龍が声をかけたのは、全日時代の付き人で入門から1年程度の折原だけであり、他の選手はそれぞれの事情と経緯があっての移籍だったと言われている。
「袋に穴を開けておいたら破れる心配はない」
馬場の側近だった和田京平レフェリーは、SWS騒動について直接、以下のような言葉を馬場から聞いたという。「袋に穴を開けておいたら破れる心配はない」
これは当時SWSに対して、一部プロレスマスコミが「SWSは金権プロレス」「移籍選手は裏切り者」と、激しく批判していたことに触れてのもの。
マスコミがSWSを批判することによって全日の選手たちは留飲を下げることができるし、天龍やSWSにしても、不当に叩かれることへの怒りはマスコミに向かうことになる。そのようなガス抜きの穴があることで、結果的に「全日」VS「SWS」の全面対決、さらには〝つぶし合い〟を避けられるというのが、この言葉の真意と思われる。
そこには、かつて新日と繰り広げた引き抜き合戦のような激しい敵意はなく、むしろSWSとの共存共栄を望んでいたとも思える。そうして見たときには、冒頭の「裏切るよりは~」の言葉が、馬場による天龍批判であったとは考え難い。
馬場はSWS騒動とは関係のない別のインタビューでも、「だますよりもだまされたほうがいいよ」「だまされるヤツには魅力がある」などと似たようなことを語っていて、そうすると「裏切るよりは~」というのも、単に馬場の人生観を語ったものだった可能性はあるだろう。
また、この言葉はジャンボ鶴田に向けたものだとも言われていて、そうなるとまた別の意味も見えてくる。SWS騒動では、いわゆる「裏切られた」側になった鶴田だが、以前には自身が「裏切る」立場になったことがあったのである。
ジャンボ鶴田をエースとした新団体構想
それは77年のこと、鶴田をエースとした新団体の旗揚げが画策されていたのだ。ただし、首謀者は鶴田本人ではなく、鶴田と仲の良かったサムソン・クツワダで、テレビ局や大口スポンサーともかなり具体的な話を進めていたという。おそらく鶴田としては積極的に独立を望んでいたわけではなく、「クツワダの話に相づちを打った程度ではなかったか」というのが当時を知る関係者の見方だが、それでも団体や師匠である馬場への裏切り行為であったことには違いない。
途中で計略がバレたことで、クツワダの解雇で話は収まったのだが、鶴田にしても72年の全日旗揚げ直後から「エース候補」と言われながら、本格的なエースの座に就くまでに10年以上の期間を要したところをみると、この独立騒動の影響がいくらかはあったのかもしれない。
そんな鶴田に対して、馬場が「裏切るよりは、裏切られたほうがいいじゃないか」と言ったとなると、これはなかなか意味深だ。
あくまでも臆測にすぎないが、ひょっとすると「鶴田よ。裏切って出て行くよりもライバルの天龍が出て行ったほうが、おまえにとっては良かったんじゃないか?」という、かつての独立未遂を戒めるような意図が、この言葉の真意としてあったのではなかろうか。
《文・脇本深八》
ジャイアント馬場 PROFILE●1938年1月23日~1999年1月31日。新潟県三条市出身。身長209センチ、体重135キロ。得意技/16文キック、ジャンピング・ネックブリーカー・ドロップ。
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