テレビ朝日社長辞任…続発する不祥事と裏に隠された“クーデター”を暴露!
テレビ朝日が激震に見舞われている。2月10日、同局は亀山慶二社長が辞任したことを発表した。後任には早河洋会長が社長を兼任する。
時あたかも、セールスプロモーション局ソリューション推進部長の三田研人容疑者が8日、詐欺容疑で大阪府警に逮捕された矢先の出来事。それだけに多くの業界関係者は亀山社長が責任を取って辞任したものだと思い込んでいた。
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ところが、それは大いなる誤解。社内調査の結果、亀山社長による会社経費の私的流用が発覚したのだから開いた口が塞がらない。
「こんなことはテレビ史を振り返っても前代未聞です。しかも、天下のテレビ朝日の社長がわずか60万円の金額で首が飛んだ。これは明らかに異常事態ですよ」(他局編成幹部)
同局の発表によれば、亀山氏は社長に就任した2019年6月以降、スポーツイベントへの出席や営業活動のため、会社の経費で国内各地への出張を繰り返していた。そうした地方出張の中に公私混同の不明金が発覚したという。
「会食やゴルフ等の費用を含め、業務上の関連があるように偽装していた。これらを会社の費用として経費精算していた事例がいくつも見つかっている。社用車で頻繁に私的な外出をしたり、私的な贈答品(約5万円)を経費で処理したり…。ゴルフや会食には、実際は参加していない業務関係者の名前を使っていた。今回、発覚した金額は60万円だが、実際はもっと多額の費用をごまかしていたようだ。だが、社長を辞任したことで調査がどうなるか不明。温情で終了もあると思います」(テレ朝関係者)
あまりに腑に落ちない辞任の経緯
加えて、トップに立つ者として資質が不適格――つまりは社長の器ではなかったことも明らかになった。「合理的な理由もなくスポーツ局長を重要な報告会に参加させなかった。結果、スポーツ局長との意思疎通ができず、局内の指揮命令系統を混乱させ、職場環境を悪化させた…同局のトップにいた社長をここまでこき下ろすとは、まさに恥の上塗り。亀山社長の日頃の行いに対し、多くの局員が怒り、呆れていた証拠ですね」(テレビ誌デスク)
皮肉にも『社長の器ではなかった』と断罪された亀山氏。しかし、現役時代は営業・編成畑を専門に抜きん出た能力を遺憾なく発揮していたという。
「十数年前、テレ朝は『振り返ればテレビ東京』などと揶揄されるほど低視聴率番組を連発していた。そんな中、亀山さんは01年に世界水泳の独占放映権を獲得して、テレ朝のキラーコンテンツに育て上げた。この頃ですよ、早河会長との師弟関係が築かれたのは。当時、早河会長は世界水泳担当の編成マン。亀山さんが裏で必死に支えたんです。その後もサッカーW杯などの放映権を次々と獲得し、テレ朝は息を吹き返した。当時、テレ朝の社長は朝日新聞からの天下りポストだった。早河会長が初めて生え抜きとして社長就任したのも、亀山さんの功績があったからです」(事情通)
それにしても、腑に落ちないのは亀山氏が辞任に追い込まれた経緯。テレ朝の社長としては、経費の使い込み金額が余りにも少なすぎるからだ。取材を進めると、おぼろげながら明らかになったのは亀山氏に対するテレ朝局員らによるクーデター説だ。スポーツ局のディレクターやプロデューサーらを相手に、もはや修復不可能な関係に陥っていたようだ。
「亀山さんは世界水泳やサッカーW杯など多くの冠番組をテレ朝に持ち込んだという自負もあったことから、やたらと制作サイドに干渉していた。プロデューサーやディレクターを呼び出し、構成がおかしいとかキャスティングにまで意見し、それを反映させていた。亀山さんは番組制作の経験がない。結果、現場は猛反発するわけです」(制作関係者)
さらに、最悪だったのが当時のスポーツ局長を毛嫌いし、その事実を亀山氏はあからさまに公言していたことだった。
怪しい領収書が次々と…
「東京五輪の報告会にも出席させていないんです。アイツ呼ばわりして『無能だ』とか『俺、嫌いだから』なんてスタッフの前で平然と話していた。異様な雰囲気でしたね」(放送作家)そんなイビツな構造が発端となって起こったのが昨年8月以降、スポーツ局の社員・スタッフによる不祥事の連鎖だ。東京五輪閉会式後にスポーツ局所属の局員らがコロナ禍の中、打ち上げパーティーを行い、1人が大怪我を負った。
「翌9月には、やはりスポーツ局員が非売品だった五輪関連の『ドラえもんピンバッジ』をメルカリで転売していたことが発覚した。12月にはスポーツ局の幹部と部下のW不倫が〝文春砲〟で報じられる異常事態だった」(関係者)
一連の不祥事に対し、烈火のごとく激怒したのが亀山氏本人だ。すぐさま顧問弁護士や社外の有識者から構成される業務監査・検証委員会が発足した。
「亀山社長は毛嫌いするスポーツ局長にすべての責任を押し付け降格させて幕引きを図ろうと考えていたようです。しかし、委員会が調査を始めると、出てくるのは現場に無駄に介入し、混乱させた張本人は『亀山だ』の声。それも1人や2人ではない。あちらでも、こちらでも聞こえてくる。ある番組のスタッフは大勢で辞表を手に検証委員会メンバーに亀山社長のパワハラや不正経費などを直訴しているんです」(放送作家)
この調査の過程で次々と発覚したのが、亀山氏の怪しい領収証の数々だった。
「スポーツ局内は『反亀山』ということで一致団結していた。経費の不正に関しては、名前を使用されたプロデューサーやディレクターらが勤務表を示しながら亀山社長の不正を訴えたんです。スポーツ局員のクーデターに加え、経費不正などの事実は早河会長の耳に入っている。最終的には庇えなくなったようです。結果、引導を渡した。それが今回の辞任劇の内幕です」(テレ朝関係者)
テレビ朝日内の余震は続きそうだ。
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