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埼玉西武ライオンズ「身売り説」浮上!母体の業績不振余波でついに…

(画像)pathdoc / shutterstock

パ・リーグ最多の日本一13回という名門球団・西武ライオンズに「身売り説」浮上!

西武HDは傘下の西武建設の売却に続き、ホテル・レジャー資産31施設をシンガポール政府系投資ファンドに売り渡す協定書を締結。コロナ禍の財政悪化で球団も俎上に…。

埼玉西武ライオンズの親会社「西武ホールディングス(HD)」が2月10日、主要31施設をシンガポールの政府系ファンド「GIC」へ約1500億円で売却する基本協定書を締結したと発表した。先月には傘下の西武建設のミライトHDへの約620億円売却が発表されたばかり。球界から「次はライオンズでは」と懸念する声が強まっている。

今回の対象はザ・プリンスパークタワー東京やサンシャインシティプリンスホテルのほか、軽井沢や品川エリアを除くホテルやスキー場などで、ライオンズは入っていない。しかし協議の中で変更の可能性があるとしていて、安泰ではない。

西武HDによれば、今年3月期に当初見込まれた140億円の赤字は西武建設の売却などで逆に90億円の黒字に転じると説明し、今回の資産売却分は織り込んでいない。しかし見逃せないのが、140億円あった赤字の1割に当たる14億円がライオンズの球団赤字という現実だ。しかも、鉄道やホテルの利用客の落ち込みは、今なお続いている。

実は、ライオンズの球団売却は、10年前にもメディアを賑わせた。上場廃止で混乱する西武HDに1000億円を投じ、株式の32%を保有したアメリカの投資ファンド「サーベラス」が経営に介入。企業価値の向上を理由に「西武鉄道5路線とライオンズの売却」を要求し、泥沼化した。

聴こえてきたセブン&アイHDへの売却話…

「この問題は2014年の再上場でサーベラスが株式を高値で売り抜き、ひとまず収束しました。現在は与党株主が過半数を占め、外圧を受けることはありませんが、コロナ禍で財政が悪化。グループの象徴・ライオンズであっても、本拠地の移転さえなければ自らの判断で売却というのがHDの方針です」(大手証券会社アナリスト)

そんな中で聴こえてきたのが、〝遠い親戚筋〟にあたるセブン&アイホールディングス(以下、セブンHD)への球団売却だ。そこに絡んでくるのが、都心の超一等地「西武(百貨店)池袋本店」売却と、跡地の再開発問題なのだ。

「西武鉄道と西武百貨店はもともと同一のグループでした。しかし、西武鉄道創業者の堤康次郎氏の死後、西武グループ(鉄道とプリンスホテルなど)とセゾングループ(西武百貨店と西友など)に分裂しました。その後、セゾングループは大規模リゾート開発をめぐる過大投資の失敗などで解体となり、中核の西武百貨店は2006年にセブンHDの子会社となりました」(経済紙記者)

現在は別グループとなった西武鉄道と西武百貨店だが、ここに来て微妙に距離を縮めているという。先の証券アナリストが続ける。

「セブンHDが2月に入り、米投資ファンド『バリューアクト・キャピタル』からコンビニ事業を中核にし、不採算部門の百貨店やイトーヨーカ堂の撤退や売却を求められました。コロナ禍でのデパート売却には賛否両論ありましたが、三井不動産と三菱地所が飛びついたのです。目を付けたのは、本業ではなく、西武池袋本店の立地の良さ。低階層に商業施設を残してオフィス、ホテル、レジデンスの巨大な複合高層ビルへ再開発すれば利益は確実、高値で確実に売れます。さすが物言う株主、目の付けどころがいい」

監督人事イザコザの裏にあるもの…

三井不動産が買い取れば、六本木、日比谷に続く「ミッドタウン」。三菱地所は丸の内に続く「エリア開発」を目指すが、ここで影響力を持つのが、西武鉄道・池袋駅だ。埼玉県民の東京への通勤拠点であり、西武ドームへの大動線。この争奪戦に、西武鉄道との連携は大きな武器となる。

「三井不動産のミッドタウン計画が先行しているという情報もあるが、西武鉄道は球団の譲渡を視野に三菱地所との連携に期待している」と語るのは、ライオンズ事情に詳しい放送関係者。同氏がさらに続ける。

「西武鉄道会長で球団オーナーの後藤高志氏は、みずほ銀行副頭取の出身。みずほ銀行は三菱地所と友好関係にあり、みずほ銀行前本店ビル(千代田区丸の内)跡地の商業地開発を共同で行い、『丸の内テラス』などを手がけた実績がある。三菱地所へ西武池袋本店売却を側面支援することでセブンHDとの関係を強め、球団譲渡を模索しているのだろう。セブン側はこれまで何度も千葉ロッテ買収が噂されるなど、プロ野球経営に興味津々。双方の思惑は合致している」

西武ライオンズは昨秋、辻発彦監督の退任を発表しながら、1週間後に方向転換して続投を決定。新監督就任予定だった松井稼頭央二軍監督はヘッドでの入閣にとどまった。その真相は明かされないままだったが、水面下で進む「壮大な球団売却計画」と無関係とは思えない。

名門球団の行方は…。

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