羽生結弦の夢がついえた。しかし、この失敗が新たなスタートになるかもしれない。北京五輪のフィギュアスケート男子フリーは、最終滑走で登場したネイサン・チェンがノーミスで演技をまとめた。その瞬間、チェンの金メダルが決まり、暫定3位だった羽生は4位に転落。
五輪2連覇中の〝絶対王者〟は、表彰台に上ることすらできなかった。
「ショートプログラムでのミスが最後まで響きました。4回転ジャンプで踏み切った瞬間、左足のエッジが氷の溝にはまってしまった」(スポーツ協会担当記者)
羽生はライバルの演技を見届けた直後は、「あれが僕のすべてかなって。報われない努力だったかもしれないですけど」と、力なく答えていた。
「五輪後、羽生は3月21日から始まる世界選手権に出ると聞いていましたが、この予定は以前に発表されたもの。会見でも明言はしなかった。今後は痛めた右足の回復具合も見て、世界選手権への出場を決めると思われます」(同・記者)
果敢に挑戦する姿勢に男性ファン急増!?
羽生は前大会同様、右足の負傷を抱えての出場だった。ケガのせいにしない心意気は立派だが、「このまま第一線から退き、アイスショーに比重を置いていくのでは?」と、事実上の引退を示唆する声も聞かれた。
「銀メダルに輝いた新星・鍵山優真の時代になるでしょう」(フィギュア関係者)
しかし、羽生は今回の敗退で新規のファン層を獲得し、むしろ〝第2章〟の始まりになりそうだという。
「4回転半ジャンプに果敢に挑戦し、失敗したことがポイントです。〝報われない努力〟発言はインパクトがありましたが、世のサラリーマンだって報われないことばかり。これからは女性だけでなく、男性ファンも増えるでしょう」(スポーツライター・飯山満氏)
成功と勝利だけが人生の価値ではない。負けても胸を張って次に備える。オリンピックでの「3連覇」は消えてしまったが、世界選手権では〝オジサンの野太い声〟をバックに、新たな雄姿を見せてくれることを期待したい。
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