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五輪はオワコン!? 金儲け…人命軽視…有名無実化“平和の祭典”の行く末

(画像)Antonio Guillem / shutterstock

2月4日に開幕し、雪を溶かすほどの熱戦が連日伝えられている北京冬季五輪。しかし、一部からは「こんなものはマスコミがバカ騒ぎをしているだけで、観る価値は全くない〝金儲け〟のイベントに過ぎない」などの過激な声も聞こえて来る。

「五輪が商業化し、単なる集金イベントと化しているのは周知の事実です。そこに、スタジアムや関連施設を巡る事業で土建屋・政治家が手を握り、あっちもこっちも〝欲〟まみれでカネにありつこうと必死なのが実態です」(スポーツ紙記者)

〝平和の祭典〟などというキャッチコピーも完全に有名無実化している。現在の北京大会が行われている中国は、新疆ウイグル自治区での少数民族の弾圧・強制労働という、21世紀とは思えない凄絶な疑惑が指摘されている。2008年夏の北京大会では、ロシアが開会式真っただ中にグルジア(現ジョージア)の南オセチア自治州へ進行・武力衝突。現在もウクライナとの国境付近に軍を駐留させており、またも大会中に進行、「すわ併合か」とも危惧されている。

「日本人が羽生結弦だ平野歩夢だと浮かれている間に、中国政府は北京五輪による国威発揚でナショナリズムを高め、〝強い中国〟を内外にアピール。これがさらなる覇権主義の増長につながり、弾圧や進出の機運をより強めるという負のループを作っています。ノンキにテレビで中継を楽しんでいる人は、すなわち五輪の片棒を担ぎ、間接的にウイグルの弾圧を支援しているのです」(国際ジャーナリスト)

欺瞞だらけのイベントを受け入れる国民

昨夏開催の東京大会でも、健康に対する国民の危惧を尻目に、開催が強行されたことが記憶に新しい。結果、東京ではそれまでとケタ違いである数千人規模での新規感染者を記録。各地方でも当時としては過去最高の感染者が続出し、一部地域では病床逼迫のために治療を受けられない〝医療崩壊〟が現実のものとなった。

「まず出発点からして、東京大会は『復興五輪』をうたっていましたが、こんなものは完全なお題目。実際は、スタジアムや関連施設の建設・周辺整備に人員・資材が取られ、東北の住宅建設や道路再築といった復興をかえって遅らせました。東京五輪は、大都会・東京が地方からリソースを吸い上げ、さらに豊かになっていく〝搾取〟が実情だったのです」(地方紙記者)

それもこれも、すべては利権団体と協賛企業による〝金儲け〟のせいだという。

「『賛否あったけど東京も北京も面白い』などとノンキなことを言っている国民は、IOCのバッハ会長がなぜ『ぼったくり男爵』と呼ばれたか少しは考えるべきでしょう。しかし、無観客開催でチケット収入は夢と消え、当初より受け入れられなかったことで五輪自体に負のイメージが定着。各企業はスポーツ支援に尻込みし、多くの五輪事業に噛んでいた大手広告代理店は過去最大の赤字を記録したのですからいい気味です」(経済誌記者)

五輪とは、大層なお題目を掲げるその実、人々の生命や健康よりも金儲けや国威発揚を優先する欺瞞に満ちたイベントなのかもしれない。

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