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蝶野正洋『黒の履歴書』~コロナ第3波と東京五輪

蝶野正洋『黒の履歴書』
蝶野正洋『黒の履歴書』 (C)週刊実話Web

再び新型コロナの感染者が急増していて、〝第3波〟襲来で俺が一番心配しているのは、年末の「ガキ使」だ。冗談はさておき、さすがに今回は政府の対策よりも民間の対応のほうが早くて、俺も12月に予定していたイベントが中止になったり、年末までにやろうとしていたさまざまなプランを見直すことになった。

政府が警戒を呼びかけたり、外出自粛要請を出した自治体もある。それでもGoToトラベルキャンペーンを続けたり、有観客イベントを実行したりと、いろんな利権や思惑が飛び交い、対応がバラバラになってしまっているのが現状だ。

東京オリンピックの開催についても、政府と民間の感覚がズレてきてるよね。IOCのバッハ会長が来日して、「ワクチンが開発されれば観客を入れた状態で開催する」と発言した。そりゃあ、IOCとしてはオリンピックをやるしかないし、日本政府や東京都も莫大なカネを突っ込んでいるから、なにがなんでも開催したい。世界中からお客さんが来てくれないと新国立競技場の建設費やインフラ整備費が無駄になるからな。

でも、国民感情としては、本当に開催できるのか疑問に思っている人が大半なんじゃないか。ワクチンができてもコロナが完全に収束することはなさそうだし、国外から多くの人が来日するのは危ないと感じている。

だから俺は、いまの状態でオリンピックをやるなら無観客にして、テレビやネットで中継だけすればいいと思ってる。

マスコミや政府に“洗脳”されるな!

プロレス業界では、アメリカのWWEが完全に無観客のバーチャル観戦にシフトしていて、それで利益を出している。今後はこのスタイルが主流になっていくだろうし、スポーツビジネス全般が観客からのゲート収入でまかなう時代は終わったように感じる。だから、オリンピックも全競技無観客にして、テレビマッチにすればいいんじゃないかな。

選手も、観客の前じゃないとやる気が出ないというのは少数派だと思う。むしろ、大勢が見ている大舞台に立ったら緊張するのが当たり前で、いつもの力が発揮できないほうが多いんじゃねーか。

コロナ対策もオリンピックも頭でっかちにならずに、シンプルに考えてみるのが大事だと思う。フリーアナウンサーの小林麻耶さんが朝の情報番組のコメンテーターを降板して、その原因が旦那さんによる「洗脳」なんじゃないかと騒がれているけど、これもシンプルに考えると、そんなに騒ぐことではないかもしれない。真相は分からないけど、俺から言わせれば「夫婦」というものは、お互いに洗脳し合ってるようなもんだよ。旦那が奥さんに「その仕事はしなくていいよ」とアドバイスするなんて、よくあることだと思うけどね。

俺も結婚当初は、奥さんに「ゴミ捨てに行ってきて」って言われたら、「蝶野正洋にもイメージってものがある。誰かに見られたらどうするんだ?」って抵抗してたけど、今は「はい、行ってきまーす」と笑顔で従ってる。これも一種の洗脳だよね(笑)。

なんにせよ、どんな事態でも余計な情報に左右されず、シンプルに判断すればいろいろなことが見えてくる。マスコミや政府に「洗脳」されないように、自分の頭でちゃんと考えて行動するべき。

蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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