(画像)Ollyy / shutterstock
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埼玉“立てこもり”医師殺害事件…恩を仇で返すパラサイトの凶行

埼玉県ふじみ野市の住宅で、散弾銃を持った渡辺宏容疑者(66)が医師の鈴木純一さん(44)を人質に立てこもった事件で、埼玉県警は1月29日、殺人容疑で渡辺容疑者を送検した。渡辺容疑者は3年ほど前に、事件が起きた住宅に引っ越してきた。


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寝たきりの母親(92)と2人暮らしで、数年前から鈴木さんが院長を務める在宅クリニックを利用していたという。


1月26日に母親が亡くなると渡辺容疑者は翌27日、鈴木さんらクリニック関係者7人を自宅に呼び出し、「生き返るかもしれないので心臓マッサージで蘇生してほしい」と執拗に要求。断られると散弾銃を発砲し、鈴木さんの心臓を撃ち抜いて死に至らしめた。


その後、居合わせた理学療法士の男性にも発砲し、胸を撃たれた男性は自力で逃げ出したが、渡辺容疑者は自宅に11時間も籠城。最後は埼玉県警の突入部隊に踏み込まれて逮捕された。


「渡辺容疑者は『母が死に、この先いいことがありそうにもない』『自殺しようと思ったが、自分だけでなく人を殺そうと考えた』と供述しています」(捜査関係者)

365日体制で働いていた被害者の鈴木医師

渡辺容疑者は20年ほど前まで、東京・江戸川区の都営団地で、まだ元気だった母親と外国人の女性、それに幼い子どもと4人で暮らしていた。ところが、いつの間にか女性と子どもはいなくなり、母親と2人きりになったという。10年ほど前から埼玉県内を転々としていた。

「母親が病気になってからは仕事が続かず、母親の年金で生活するようになったと聞いています」(知人)


犠牲になった鈴木さんは東京慈恵会医科大学を卒業後、2013年に在宅医療専門のクリニックを設立し、365日体制で寸暇を惜しんで働いていた。


「鈴木さんは付近に住む在宅患者、約300人を定期的に診察。患者が急変した場合は酸素吸入器持参で患者宅へ駆けつけるなど、超人的な働きでした」(埼玉医師会関係者)


渡辺容疑者は複数の病院でトラブルを起こし、最終的に鈴木さんが面倒を見ていた。なんともやるせない事件である。