田中絵音 (C)週刊実話Web
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日本合コン協会会長/田中絵音インタビュー~携わった合コンは2000回!

合コン――長引くコロナ禍で、もはや懐かしい響きさえあるが、その全国組織である「日本合コン協会」の会長が田中絵音氏だ。〝そんな組織あるの?〟と思われるかもしれないが、れっきとした一般社団法人。今年で創立10周年になるという。「私は合コンをなりわいにしています。人生を懸けてやっているんです」と胸を張る。実は彼女、元はグラビアアイドル。協会を立ち上げた理由、最新の合コン事情などを聞いた。


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――なぜ協会を立ち上げたのでしょう?


田中 芸能活動をしていた時から「グラドルと合コンしたい」という一般の方からの要望が多かったんです。私自身も大好きなので、進んで幹事を引き受けていたんですね。そしたら、3年くらいで1000回以上、協会を立ち上げてからを通算すると、2000回は超えていますね。


――だからといって、なりわいにするというのは…?


田中 10年前に日本合コン協会というのを立ち上げ、5月8日を語呂合わせで「コンパの日」と制定しました。私自身はその代表として「合コンシェルジュ」を名乗り、合コン・街コンをプロデュースしながら男女の恋愛事情や社会情勢などを分析・発信してきました。史上初めて、海外での街コンを台湾で開催したこともあるんですよ。


――それは本格的だ。


田中 事業としては、合コンが盛り上がるオリジナルグッズを20種類ほど開発し、販売もしています。


――たとえばどんな?


田中 大事なことは、誰もが一瞬で使い方が分かり、すぐに結果が出るものでないとダメなんです。王様ゲームみたいに。そういう意味では「サイコロシリーズ」というのが一番ヒットしました。2つのサイコロがあり、1つには「誰が」、もう1つには「何をする」と書いてあり、それを同時に振ることで行動を指示するわけです。「お姫様抱っこ」や「後ろからハグ」など、ソフトなスキンシップから、かなりエッチなバージョンまで揃えました。

カップルが増えれば少子化対策に繋がる!

――他にはどんな活動を?

田中 合コンをたくさんやってもらうことでカップルが増えれば、ひいては少子化対策になると考えているので、合コンを主催する人を全国規模で増やさないといけないと考えました。そこで7年ほど前から始めたのが、合コン主催者になるための資格講座です。講義や実践授業を受けてもらうことで「合コンマスター」を認定しています。合コンの歴史から実際にイベントを組む手順や収益の立て方、盛り上がるゲームの実習などを学んでもらいます。


――合コンの起源なんてあるんですね。


田中 明治時代に旧制高校の寮生たちが始めたのが最初です。男同士でお菓子を持ち寄って集まる会だったのが、女性も交じる合同ハイクなどを経て今の合コンに近くなりました。バブル期にねるとんが流行り、完全に男女の出会いの場として確立された…という歴史があるんです。合コンマスターは現在まで5期生が誕生していて、およそ50人が資格を持っています。コロナ禍で一時中断していましたが、今年は3月26日(土)に第6期生の講座があるんですよ。


――それにしても2000回はすごい。


田中 週末に集中するので、掛け持ちになることもありました。1つのビルで2階と5階を往復したり、2次会に切り替えるタイミングでメンバーをシャッフルしたりとか。今思うと、街コンが流行る前から、同じようなことをしていたんですよね。


――印象に残っている合コン相手はいますか?


田中 一般企業から公務員、スポーツ選手や有名俳優、ミュージシャンなど、世の中のほとんどの職業の方たちと合コンしたと思います。変わったところでは石油王と呼ばれる人とも。合コンと言えば盛り上がるのは下ネタですが、どんなにおカタいイメージの職業の人でも最後は結局、ソノ話になりますね。意外だったのはあっち系の男優さん。ギャップを狙ってマジメな話でもするのかと思ったら、終始下ネタでした。『プライベートと仕事のは別だから』とか、『今日、仕事で2本撮ってきたけど、まだまだイケるよ』って。 プロも落ちる“クリスマス”イベント

――幹事の自分だけがモテてしまうようなことは?


田中 それが一番、女の子がシラケることなので、私はくっつけることに専念してきました。どんなに素敵な男性がいても、「この人には誰が合うかな?」と考えてしまう。職業病ですね。実際、幹事はあまり積極的にそういう標的になろうとしない部分もあるので、自分に来るはずないと思っている部分もあります。なので、不意打ちで来られると驚いちゃいますね。私自身、今まで付き合った男性との出会いは、ほとんどが合コンなんです。


――協会の理念を実践してるじゃないですか(笑)。


田中 合コンの醍醐味を実際に知ることも、仕事のうちということで。


――一番印象に残る、合コンのプロでも恋に落ちた出会いは?


田中 人数合わせで呼ばれた、全然期待しないで行った合コンでした。幹事ではなかったので服装にも気合が入ってなくて、ニュートラルで行っちゃったんです。3対3のこぢんまりした飲み会で、先方は実業家ばかり。その中の1人がゴリゴリ来て、クリスマスが近かったのもあり「一緒に過ごしましょう」と誘われたんです。このテクニックは使えるなと思いましたね。クリスマスを一緒に過ごそうと言われれば、自分には彼女がいません、予定もありませんと公言しているわけです。その上で1年に1回の大事な日を一緒に過ごしたいと思ってくれたんだと。女性なら感激しますよね。まあ、私の場合は失恋したばっかりで弱っていたのでつけ込まれたんだと思いますけど(笑)。


――コロナ禍で、合コンは今どうなっていますか?


田中 出会いの場という意味では、マッチングアプリ一択になってしまいましたね。最近では「ザ・シングル」という、コロナ向けの1対1の相席居酒屋も流行り始めています。リアルな合コンで言えば、マスターが主催するものは緊急事態宣言下ではゼロでしたが、宣言が解除された当初は往時の100%を超えていました。人数など規模は小さめですが、会場の予約が取れないくらいの盛り上がり方でした。オミクロン株が出てきて今後どうなるか分かりませんが、協会としては少しずつ出会いの場が復活してくれることを期待しています。また、10周年に向けた記念行事も仕掛けていきたい。「合コン再生計画」みたいな形で、5月8日のコンパの日に向けてイベントも考えていきたいですね。
田中絵音◆たなかえのん 神奈川県出身。AB型。著書に『こじらせ男子の取扱説明書』(双葉社)『2時間で女ゴコロをつかむ技術』(イースト・プレス)など。 ツイッター@enon0820