インターネット報道番組を制作、配信する『Choose Life Project(CLP)』に、立憲民主党(以下、立民)が広告代理店の博報堂などを通じ、番組制作費として約1500万円を支援していた問題は、立民の隠ぺい体質をあらわにした。
CLPはTBS系『報道特集』のディレクターだった佐治洋氏らが立ち上げ、数々のリベラル志向の番組を手掛けてきた。
どのような番組を制作しようとご自由だが、特定の政党が「ステルス作戦」よろしく、自らの存在を伏して資金を提供していたとなれば話は別である。公正中立なメディアと思って視聴していた人からすれば、詐欺に遭ったも同然で、悪質な世論誘導策と批判されてもやむを得ない。
この事実は、ジャーナリストの津田大介氏、朝日新聞の南彰記者、東京新聞の望月衣塑子記者らが連名で、1月5日に抗議声明を出したことで発覚したが、旧立民に合流した旧国民民主党側がリークしたとの見方が強い。
立民は昨年11月に代表選を行っている。衆院選惨敗による枝野幸男前代表の引責辞任に伴うもので、党内には枝野氏と福山哲郎前幹事長による独裁的党運営への不満が鬱積していた。その受け皿になったのが、旧国民から合流した泉健太代表というわけだ。
左派系の市民運動を下支え!?
その代表選に乗じて旧国民側が真に追い落とそうとしたのは、福山氏と「ツーカーの仲」である秋元雅人前事務局長と言える。CLPへの支援も福山、秋元両氏による共同プロジェクトだった。代表選には「旧立民対旧国民」の主導権争いの側面があったが、もはや〝内ゲバ〟だ。
秋元氏は北海道出身で、北海道自治労の活動に携わっていたことがある。旧民主党時代から党事務局を牛耳ってきた党内左派グループの〝影のドン〟だ。安保法制反対のデモを主導した学生団体『SEALDs(シールズ)』の後見人ともいわれ、枝野氏が2017年に旧立民を立ち上げた際は、いち早く馳せ参じたことでも知られる。
立民はシールズとの関係が取り沙汰されているインターネット広報会社『ブルージャパン』にも、同年以降、9億円以上を支出しており、秋元氏は同社にも深く関わっている。立民が左派系の市民運動を下支えしているのは間違いなく、その首謀者こそが秋元氏と言っていい。
秋元氏は1月17日付人事で事務局長を離れたが、選挙対策委員会の特別参与にちゃっかり残っており、党内の資金に今もなお、にらみを利かせている。
厄介者には、おさらばしてほしいものだ。
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