これほど力の差を見せつけた日本シリーズは、かつてあっただろうか――。福岡ソフトバンクホークスが2年連続で読売ジャイアンツを4連勝で下し、前身の南海、ダイエー時代を含めて4年連続11度目の日本一を決めた。同シリーズ4連覇は、パ・リーグ史上初めてだ。
「この2チームによる決戦は、プロ野球各球団にとって、別の視点でも注目されていました。プロ野球チームのエクスパンション、つまり、『16球団拡大構想』が具体化するか、その鍵を握っているからです」(スポーツライター)
ホークスの王貞治会長が「16球団構想」の私案を公表したのは、今年1月11日放送のテレビ西日本の報道番組内でのことだ。ごくありふれた新春企画という内容だったが、そこで王会長の口から衝撃的な提言がなされるとは、当のテレビ西日本関係者にとっても予想外のことだったという。
「福岡のメディアは、その提案に賛同する特集を出しました。それでも、球界は静観したままです」(地元関係者)
さらに王会長は、今年3月のオープン戦期間中、全国メディアからの質問に、「地域に根付いた野球チーム」、「野球界のさらなる発展」を訴えていた。
“新・球界の盟主”となったホークスが動く!
「王会長が提唱したものを無視するはずがありません。球界が静観せざるを得なかったのは、他球団との根回しがされていなかったからです。せめて、巨人だけでも意見のすり合わせがされていたら、違う結果になっていたかもしれません」(同・関係者)
そういえば、王会長の提言がなされる前の2014年、政府の経済成長提言でも16球団構想が盛り込まれたことがあった。
某球団のスタッフによれば、「好き勝手なことを言いやがって」と、当時は反感しか出なかったそうだ。12球団の首脳は球団拡張計画について、「いずれは議論しなければならない」と頭では分かっていたものの、「政府主導」という形式に腹立たしさを感じ、あえて無視したという。
「16球団への拡大構想は、決して新しいものではないのです。議論が必要なのはみんな分かっていることですからね。日本シリーズでホークス、パ・リーグが圧倒的な力を見せつけた。こうなった以上、正式に議案として挙がってくるかもしれません」(同)
ホークスは名実ともに「球界の盟主」となった。各球団とも、16球団構想からは逃げられない。果たして、王会長はいつ動き出すのか…。
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