
高山善廣「行くぞ、ノーフィアー!」~一度は使ってみたい“プロレスの言霊
リング禍から長らくリハビリ生活を続けている〝日本プロレス界の帝王〟高山善廣。その風貌や体格、試合での迫力やマイクも含めたパフォーマンス能力の高さは、間違いなく歴代トップクラスであり、一日も早く元気な姿を見せてくれることに期待したい。
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高山が頸髄損傷の大ケガを負ったのは2017年5月4日、DDTの豊中大会でのことだった。6人タッグ戦で敵方のヤス・ウラノに前方回転エビ固めを仕掛けたときにマットで頭部を強打し、そのまま大阪市内の病院に搬送された。
誰が悪いわけでもない不運な事故としか言いようがないが、事態は想像以上に深刻であった。高山は首から下が動かないほどの重体で、一時は自力呼吸もできず、心臓停止の状態にまで至ったという。
その後の懸命な治療によって命の危機は脱し、昨年夏にようやく退院とはなったものの、それでも自力歩行は困難だというから、リハビリの道はまだまだ遠く険しいようだ。
09年3月14日の全日本プロレス両国国技館大会で、高山はグレート・ムタから三冠ヘビー級王座を奪取。これにより全日、新日本プロレス、プロレスリング・ノアにおけるシングルとタッグの主要タイトルをすべて獲得し、メジャー完全制覇を達成する。これは日本のプロレス史上初のことであった(21年に武藤敬司が2人目の達成)。
当時の高山はどの団体でもメインクラスを張る、まさに〝日本プロレス界の帝王〟と呼ぶにふさわしい活躍ぶりで、その圧倒的な存在感からジャイアント馬場とアントニオ猪木の両巨頭に寵愛された希有なレスラーでもあった。
薬でぜんそく発作を抑えて…
しかしながら、そこに至るまでの高山は多くの苦難や不運に見舞われ、人知れぬ挫折も味わってきた。幼少時から小児ぜんそくに苦しみ、プロレスラーとしてデビュー以降もストレスや疲労がたまると発作が起こり、薬で抑えていたような状態だったという。大学時代、休学して旧UWFに入団したものの、高校時代にラグビーで負ったケガが再発してすぐに退団。1992年に誘いを受けたUWFインターナショナルで再デビューを果たすと、3年後に新日との団体対抗戦が勃発する。
このときは安生洋二らとユニット「ゴールデン・カップス」を結成し、高山の知名度を一気に上げることにはなったが、コミカルさを交えた当時のファイトは、自身が入門前に望んでいた戦いとは別種のものであったに違いない。
96年8月17日のUインター神宮球場大会におけるキモ戦では、長髪の先につけた装飾品のせいで試合開始直後に顔面から大出血をしてしまい、わずか76秒でチョークスリーパーを極められ、早々に敗れるという失態も犯した。
04年8月には新日の真夏の祭典『G1クライマックス』に参戦したが、佐々木健介との試合後に脳梗塞を発症。病院に救急搬送されると、カテーテル手術を経て約2年間の休養を余儀なくされている。
総合格闘技においては、いまも語り草となっているドン・フライとのド派手な殴り合いで大きなインパクトを残したが、その他の藤田和之、セーム・シュルト、ボブ・サップとの試合は、いずれもいいところなしの完敗。高山にとって総合の試合は、とても誇れるようなものとは言い難い。
きっちりプロレスラーを終わりたい
そんな高山の格闘人生を支えたのが、代名詞でもある「ノーフィアー!」だ。もともとノーフィアーとはスポーツ系ファッションブランドの名称で、高山がこれを着用したことによるコラボ的なところから始まったものだった。しかし、全日時代に大森隆男らとのユニット名にすると、テレビカメラに向かってひとしきりまくし立ててから、「行くぞ、ノーフィアー!」と叫ぶことが定番スタイルとなった。
高山の激しく豪胆なファイトスタイルもあって、ノーフィアーは「怖いもの知らず」と訳されることが多いが、本来はもう少し気持ちの部分に寄った言葉で、「恐怖を恐れず立ち向かう」といった意味らしい。
ノーフィアーの精神で多くの苦境を乗り越えてきた高山にしても、大ケガという難敵と戦い続けることは相当な困難に違いない。ベッドで寝たきりになった当初は、まったく手足の感覚がないことの絶望感から、「もう死んでしまったほうがいい」とまで思ったこともあったという。
今年9月19日の誕生日には56歳になるという年齢からも、全盛期の姿を取り戻すことは難しいだろう。しかし、それでも現在の高山は、奥様が代筆するブログにおいて《きっちりプロレスラーを終わりたいから。そのために今、リハビリをやっています》と前向きな言葉をつづっている。
そう遠くない未来に、リング上から「行くぞ、ノーフィアー!」の声が聞こえることをファンは心待ちにしている。
《文・脇本深八》
高山善廣 PROFILE●1966年9月19日生まれ。東京都墨田区出身。身長196センチ、体重125キロ。 得意技/エベレスト・ジャーマン・スープレックス・ホールド
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