社会

トンガ海底火山噴火はさらなる“破局的噴火”の前触れなのか!?

(画像)Prostock-studio / shutterstock

南太平洋に浮かぶトンガ王国の首都・ヌクアロファから北へ65キロほど船で進むと、フンガハアパイとフンガトンガという2つの小さな無人島がある。この2島の下に潜んでいた高さ約1.8キロ、幅20キロの巨大な海底火山が、1月15日に巨大噴火を起こした。

「火山の噴火規模は0~8の『VEI』指数で表され、レベルが1つ上がるたびに、規模が約10倍になる。トンガの火山を長年研究してきたオークランド大学(ニュージーランド)のシェーン・クローニン教授は、噴火時間が短かったため〝VEI5レベルではないか〟と語っています」(サイエンスライター)

同教授によると、この海域では900年~1000年に一度、このレベルの噴火が繰り返されているらしい。そして、この海域には海中150メートルでカルデラが発見されているのだ。

気になるのはこのカルデラで、文明を破壊してしまうとされる「破局的噴火」が起きるのかということ。

40メートルの巨大津波も覚悟しなければ…

「クローニン教授は、噴火はこれで終わったわけではなく、今後、数週間から数年後にかけて破局的噴火を起こす可能性があると指摘しています。そうなると、今回の噴火に伴う津波は15メートルでしたが、40メートルの巨大津波も覚悟しなければならない。日本で最も新しい破局的噴火は、約7300年前に南九州の縄文文化を壊滅させたとされる鹿児島県沖の鬼界カルデラ噴火で、VEI7でした。神戸大学の巽好幸教授によると、鬼界カルデラが破局的噴火を起こす確率は、阪神・淡路大震災と同程度と分析しています」(同)

こう聞かされると、巨大災害の発生がすぐ身近にあることを感じずにはいられない。

武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏がこう語る。

「トンガの噴火が再噴火につながるのか、正直、学問的にどうなのか私から言うことはできません。オークランド大学の学者が語っているように、破局的噴火を起こすかもしれないし、そうならないかもしれない」

環太平洋造山帯で起きた大噴火だけに不気味だ。

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