エンタメ

『ノイズ』/1月28(金)より全国公開〜LiLiCo☆肉食シネマ

Ⓒ筒井哲也/集英社Ⓒ2022 映画「ノイズ」製作委員会

『ノイズ』
監督/廣木隆一
出演/藤原竜也、松山ケンイチ、神木隆之介、黒木華、渡辺大知、永瀬正敏
配給/ワーナー・ブラザース映画

1月がいつも長く感じるのは私だけでしょうか? そのあとはアッという間にクリスマスが来るイメージなのに不思議です。今年も、楽しみな大作も多いですが、埋もれないために積極的にミニシアターも紹介していきたいと思っています。

…そう言いながら、今回ご紹介するのが、私には珍しく邦画の話題作『ノイズ』。サスペンスものではありますが、監督の廣木隆一さんのこれまでの作品は個性&クセはあるものの、人間ドラマが多い。そのため、人間ドラマを得意とする監督がサスペンスを撮ると、ドキドキする展開に加えて深さがあるんです。ビックリ驚くような描き方ではないものの、見終わってから残る〝怖さ〟の余韻がハンパじゃなく、エンドロールのあとも、作品が自分の中で描き続けられているのがゾッとする1つのポイント。まさに、〝ザ・ジャパニーズ感覚〟という印象でしょうか。でも、それは人間の心理をしっかりと描く監督だからこそなのでしょうね。

過疎化が進むも、人々が平和に暮らしている島で、黒イチジクが注目され、テレビのワイドショーで取り上げられるまでに。みんなで集まってテレビを見る姿も、いかにもお互いを知っている島暮らしならではで、とても微笑ましい。

次第に壊れていく平和な島の日常…

そんなある日、元受刑者の面倒を見ることになるのですが、その元受刑者が、運転してくれた男性を殺して脱走。さらに、その男のしわざではないかと思われる怪しい出来事もあり、黒イチジク農園を営む泉圭太(藤原竜也)と、幼馴染みの田辺純(松山ケンイチ)は、元受刑者を誤って殺してしまいます。

普通に考えてもとんでもないことですが、今まで1つも犯罪が起きていない平和な島の住民にとっては、まさに、重大事件。この島には、かなりクセのある住民もいれば、みんなが島を守りたい思いが強い。次第に、日常が壊れていきます。

キャストを見て心躍る人も多いでしょう。藤原竜也と松山ケンイチの『デスノート』コンビがダブル主演! 私は唯一、最初から最後まで読んだ漫画であり、もちろん映画をきっかけにハマりました。この2人が共演するのは興奮もの。しかも、ここに、私と同じくデスノートが好きという神木隆之介が加わる。島の新米警察官・守屋真一郎を演じますが、今まで見た彼とはだいぶイメージが違います。

運転していた男性と、彼を殺した元受刑者のほかに死体が増え、住民みんなが怪しく見えてきます。ソフトにしつこ~く刺激されたい方にオススメです。

LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。

あわせて読みたい