新型コロナ禍のため、会場を九州の福岡市から東京の両国国技館に移した11月場所は、優勝決定戦の末に大関・貴景勝が、小結の照ノ富士を押し出し、2年ぶり2回目の優勝を果たした。大関としては平成29年初場所の稀勢の里以来、4年ぶりだった。
「大関に上がってから、あまりいいことがなかった。精神的にも、もうひと踏ん張りしないといけないと思っていた。こういう結果で終われたことを本当にうれしく思う」
優勝インタビューで、貴景勝は感激のあまり唇を小刻みに震わせたが、白鵬、鶴竜、さらに朝乃山、正代――横綱と大関が相次いで休場し、いまひとつ盛り上がりに欠いたのも事実。それを1人大関として必死に支えた貴景勝は立派だった。
しかし、もう1人、忘れてはならない功労者がいる。それが幕内の一番下、幕尻の志摩ノ海だ。
「(作戦は)何も考えてないですね。考えたらダメなんで。師匠(木瀬親方=元幕内・肥後ノ海)のアドバイス通り、やっているだけ。無心になって、という言葉を実行できている」
言葉は謙虚だが、粘り強い相撲で面白いように白星を積み上げ、12日目までに11勝。残念ながら終盤、割を崩して貴景勝をはじめとする上位にぶつけられ、さしもの〝志摩旋風〟もストップしたが、圧倒的多数で敢闘賞に選ばれた。
幕尻力士はナゼ奇跡を起こしやすいのか?
一時は協会首脳も「また幕尻優勝か」と、色めき立っていたほど。優勝制度ができた明治42年以降、去年までたった1回しかなかった幕尻力士の優勝が、今年は初場所の徳勝龍、7月場所の照ノ富士と、すでに二度も起こっているからだ。
どうして、幕尻力士は奇跡を起こしやすいのか。
「主な理由は2つ。幕内の一番下だから、うかうかしていたら下(十両)に落ちるので、もうやるしかないと腹をくくって頑張らざるを得ない地位だからです。もう1つは、下に落ちて仕方ないところなのに、幕尻にとどまることができた幸運児が多いということもあります。もともと運が強いんですよ」(担当記者)
来場所も幕尻に注目だ。
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