スポーツ

“異端児”御嶽海が大関に昇進! 注目される名門・出羽海一門の再興

相撲のぼり
相撲のぼり (C)週刊実話Web

一癖も二癖もある力士たちの中で、御嶽海(出羽海部屋)ほどつかみどころのない力士も珍しい。横綱もかくや、という目の覚めるような相撲で勝ったかと思うと、翌日には下位の力士にコロリと負ける。

このことは、先場所まで三役に27場所もいながら、2場所連続して二桁勝ち星を挙げたことは皆無という、珍記録にもよく表れている。

「力士は29か30がピーク。まだいけるんじゃないのと思われるところで、カッコよく終わりたい。どうか皆さん、楽しみに待っていてください」

平然とそう言ってのけ、稽古場でもめったに本当の力を出さない。1年前にも合同稽古に顔を出したのはいいが、3場所連続休場中の横綱・鶴竜に対し、2日間でなんと30連敗。そのときも言うことが奮っていた。

「明日もまた横綱と三番稽古(同じ相手と繰り返し行う稽古)をやりたいって書いといて」

鶴竜に何やらアドバイスされたあと、取り囲んだ報道陣にそう言ってニヤリとしたのだ。

227年ぶりの長野県出身大関誕生!

そんな御嶽海が1月23日に幕を閉じた初場所(東京・両国国技館)で、まるで別人のような活躍を見せた。優勝争いで主役を演じた上、大関の座まで手元に引き寄せたのだ。何がこんなに御嶽海を変えたのか。

「大関陣が不甲斐ないですからね。〝俺がしっかりしないといけない〟と思ったのかもしれませんが、これから角界は理事選挙、3月の理事長選挙を迎えます。注目は、このところ存在感が薄い名門の出羽海一門。その番付頭である御嶽海としては、一門に勢いをつけたいところだったのです」(協会関係者)

人間、何がきっかけで変身するか分からない。初場所終盤、足を痛めて失速した横綱・照ノ富士を尻目に、御嶽海は尻上がりに調子を上げ、千秋楽も照ノ富士に快勝。13場所ぶり、3回目の優勝ばかりか大関昇進も決めた。

長野県からは伝説的力士の雷電以来、227年ぶりの大関誕生となる。

あわせて読みたい