社会

東大刺傷事件17歳犯行少年“罪悪感を背負って死にたい”心の闇

(画像)Dean Drobot / shutterstock

「偏差値73の高校から来た。来年、東大を受ける!」

大学入学共通テストの会場となった東京大学農学部前の路上で、17歳の少年はこう叫びながら受験生の男女2人と男性(72)を次々とナイフで刺していった。1月15日、殺人未遂容疑で警視庁に逮捕されたのは、名古屋市の私立東海高校2年の少年だった。

少年は事前に凶器の包丁、ナイフ、ノコギリを購入し、深夜の高速バスで名古屋から上京。スマホを捨てて証拠隠滅を図った上で、犯行直前に私服から高校の制服に着替えていた。

「少年が持っていたバッグからは、可燃性の液体が入った3本のペットボトルと8本の瓶、それに着火剤が見つかりました。現場近くには火炎瓶が3本あり、このような〝重装備〟で東大襲撃を狙ったとみられます」(捜査関係者)

「東大理Ⅲに入って医者になりたい」

少年が通う東海高校は愛知県下一の進学校。中高一貫の超エリート校で、医学部合格者数は14年連続で全国トップの進学実績を残している。少年は高校から進学し、東大理科Ⅲ類を目指していた。

「少年はごく普通の家庭に育ち、両親と中3の弟、小4と小1の妹の6人家族です。一家は昨年3月に新築戸建て住宅を購入し、隣町のマンションから引っ越してきました。仲のいい家族で、お父さんは私立大学で事務職員をしています」(近所の住民)

猛勉強の末に高校から東海高校に入学した少年は、「どうしても東大理Ⅲに入って医者になりたい」と語っていた。しかし、高校入学当初は校内で15位ぐらいだった成績が、昨年11月には130位くらいまで落ち込んでいたという。

逮捕後、少年は「合格が無理ならば自殺する前に人を殺して、罪悪感を背負って切腹しようと考えた」(捜査関係者)と供述し、以後は黙秘を続けているという。

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