
山田久志インタビュー前編~「オリックス優勝の原動力」
山田久志(以下、山田)「野球界全体がいい方向に変わりましたね。1つは高校生であれ、大学生であれ、社会人であれ、アマチュアから来た新人がプロの世界に早く溶け込んでいるというか。これはやはりプロアマ協定が見直され、元プロ野球選手が資格を取ればアマチュアにもアドバイスができるようになり、実際に選手を指導できるようになったのが大きい。アマチュアのレベルが格段に上がった。それが、新人のレベルアップにもつながったんだと思う。
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たとえば、阪神の佐藤輝明なんかがそうでしたよね。我々の想像をはるかに超えていたし、あの打球の飛距離、スピードには度肝を抜かれました」
阪神・佐藤のほか、横浜DeNA・牧秀悟、広島・栗林良吏、北海道日本ハム・伊藤大海らの新人が活躍した。また高卒2年目ながら、東京ヤクルト・奥川恭伸、千葉ロッテ・佐々木朗希、オリックス・宮城大弥の好投も光った。
そんなオリックスの〝逆襲劇〟を語る上で欠かすことのできないのが、阪急ブレーブス時代も知る中嶋聡監督(52)の誕生だ。「(彼は)現役時代、捕手としては大雑把だった」と山田氏は笑うが、指揮官就任時には背中を押したと言う。
山田「福良淳一GMと私らで、半ば強引に監督に据えたんですよ(笑)。中嶋に言ってやったんですよ。『どうせダメ、最下位のチームなんだから、お前の好きにやればいいんだよ。何もやらないで去るよりも、好きなことをやって、それでいいじゃないか』って。あと、『選手にあまり気を遣いすぎるな』、『大事なのは、スタッフだから、彼らは大事にせえ』って。今までのオリックスを見てきて、監督、スタッフたちの間の意思疎通ができたのか疑問だったからね。
でも、オリックスの躍進は中嶋が監督を引き受けるときから始まったんですよ。私が阪急時代に一緒にやっていた、オリックスで見てきた中嶋聡という男ではありませんでした、いい意味で。西武、横浜、日本ハムと渡り歩き、またオリックスに戻ってきて、成長していました。捕手としては大雑把なところもあって、だから仰木彬さんが監督をされている時代は、あまり試合で使ってもらえなかった。球団を移り、色々な監督と接し、これまでと異なる野球環境が彼を成長させたんだと思う。
そういえば、ヤクルトの高津臣吾監督(53)もそうだよね。メジャーリーグを経験し、マイナー降格もあり、さらに韓国、台湾、国内の独立リーグも経験して。中嶋、高津監督のこういう経験が財産になっているんだろうね」
ラオウ、宗ブレークの裏で…
快進撃は中嶋監督だけでは果たせなかった。〝フロント革命〟も必要だった。山田「1年ごとに監督が代わって。どうしようもないもん(笑)。それと、選手にも負けグセみたいなものが染みついてしまい…。『今日は負けても仕方ないや』って思っちゃう。だから球団社長にもお会いして、『アンタらもしっかりしなさい』と。フロントスタッフは『現場が』って言うけれど、そうじゃない。それからGM制が始まって、福良を推薦したんですね。私に権限があったわけじゃないけど、それまで相談は受けていましたので、好き勝手言って(笑)。そういう環境がスタートし、一昨年途中、中嶋が監督代行となったんです。代行のときの中嶋を見ていたら、いい野球をやるなって印象でしたね」
中嶋監督の下でブレークした選手も少なくない。無名だった杉本裕太郎、内野に再コンバートされた宗佑磨、1番バッターに定着した福田周平などがそうだ。
山田「捕手の伏見寅威、若月健矢もそう。杉本たちを福本豊さんなんかと臨時コーチをして見たとき、『なんで一軍に出てこないんだ? なぜ、二軍にいるんだ?』って思ったんです。最下位に低迷していたときはそんな感じでした。彼らを中嶋が引っ張り上げて試合で使って。中嶋も二軍監督をやっていたので、彼らに何かを感じていたんだと思う。使えばなんとかなるって思ったんだろうね。その思いを貫いて、それも好結果につながったんでしょう。それから、福良GMがよく動いてくれましたから。その力も大きい。いわゆる『間』に立って、監督の気持ちも聞いてやる。フロントへの要望があればGMが一度聞き、フロントと現場の間を巧く立ち回っていた」
また、昨季のパ・リーグMVPと沢村賞に輝いた山本由伸をはじめとする投手陣の活躍も大きかった。スカウティングと育成の歯車が見事にかみ合ったわけだが、「打倒ヤクルト」の課題を残してしまった。
山田「投手の話をするならば、変わったんですよ、金子千尋(現日本ハム)や西勇輝(現阪神)がいた時代と比べて。いい成績を残してチームに貢献する、まずは自分という雰囲気が変わりました。山本は本当に練習熱心だし、宮城たちもそれを見習っています。だから、日本シリーズもいけると思ったんだけど。78年の広岡ヤクルト、95年の野村ヤクルト。三度目の去年は『仇をとってくれ』と中嶋にも言ってたんだけど、プレッシャーを掛けちゃったかな」(以下、次号)
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