(画像)DarkBird / shutterstock
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「大麻成分入り」化粧品への懸念…安全性や有効性の検証はまだ先

肌に良く、リラックス効果もあると思って使っている化粧クリームやリキッドオイルに、大麻成分が入っていたら仰天する消費者も少なくないのではないか。


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「大麻成分が配合された化粧品が一部で売られています。とりわけ女性に人気があるのは、CBD(カンナビジオール)が配合された美容クリーム、リキッドオイル。なんでも、舌に落とすとリラックス効果があり、熟睡できるとして注目されているようです」(厚生労働省関係者)


しかし、ドラッグストアやネット通販で簡単に入手できるため、違法な成分が配合されていたら取り返しがつかないことになる。


厚生労働省が2020年~21年に47のCBD関連商品を分析した結果、13品から大麻成分のTHC(テトラヒドロカンナビノール)が検出されたという。


「THCは、人間の精神状態をハイにする作用や依存性がある麻薬成分で、日本では少量でも含まれていれば違法。知らずに購入しても、持っているだけで違法薬物所持となり、処罰の対象になります」(同)

消費者が見分けることは極めて難しい

ポール・マッカートニーやあまたの大物芸能人の逮捕にも関わり、19年、瑞宝双光章を受章した元麻薬取締官の小林潔氏が語る。

「美容クリームなどの流通商品は、THCが含まれていない前提で販売されています。しかも、消費者が見分けることは極めて難しい。量や個人差もあるが、THCは大麻草の吸引と同じ効果があるため、極めて由々しき事態です。しかも、大麻草から抽出するのではなく、化学的に合成することができる。私が個人的に聞いてみたいのは、化粧品会社の担当者が、これに大麻成分が含まれていることを本当に知っているかということです」


日本化粧品協会は先頃、独自の調査結果を公表したが、21年は38品中2品からTHCが検出されたという。


「大麻を含む商品の研究はまだこれからで、安全性や有効性が検証されたわけではない。商品だけがよく売れているとして喧伝され、消費者が手にするのはとても心配ですね」(同)


用心が必要だ。