トヨタ、CROWN (C)週刊実話Web
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「アメリカ新車販売台数トヨタ初の首位」のニュースが極めて小さい理由

2021年のアメリカにおける新車販売台数で、トヨタ自動車がゼネラル・モーターズ(以下GM)を抜いて初の首位に立った。1931年から90年間もトップに君臨してきたGMが、ついにその座を譲ったという衝撃的なニュースだ。


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「トヨタ以上にGMが半導体不足の影響を受けた結果で、トヨタのトップは、いわばGMのエラーによって獲得したようなものです。通常通りの生産体制に戻れば、GMが王座を奪還するとみられています」(自動車評論家)


とはいえ、年始早々、景気の悪い話ばかりが目立っていた日本において、トヨタの快挙は大々的に報道されても良さそうである。ところが、ニュースの扱いは極めて地味な印象だった。


「今や自動車販売における最大の市場は中国です。これだけ米中摩擦が激化しているにもかかわらず、世界中の自動車メーカーは中国を意識して動いている。市場規模は大きいものの、今後の伸びが期待できないアメリカ市場には、あまり興味を持っていない状況なのです」(同・評論家)

中国政府の思惑通りにコトは進んでいる…

T型フォードの量産化から始まり、これまで多くの自動車文化を生んできたアメリカ市場が、世界の自動車メーカーから軽視されているとは、ずいぶんと寂しい話ではないか。

中国政府の思惑通り、ここ数年は中国の電気自動車メーカーが国内市場で台頭し始め、日本のメーカーのみならず、欧米メーカーの存在感が希薄化している。


目先の業績ばかりを追い、長期的な視点に欠けた資本主義型の経営が、政府を主体として長期的な視野に立つ社会主義経済にひれ伏す構図が、自動車業界においても始まっているようだ。


アメリカの自動車市場を中国メーカーが席巻する日が、そう遠くないうちに来るかもしれない…。