『野球と漫才のしあわせな関係―極私的プロ野球偏愛論』ベースボール・マガジン社/1760円
『野球と漫才のしあわせな関係―極私的プロ野球偏愛論』ベースボール・マガジン社/1760円

『野球と漫才のしあわせな関係―極私的プロ野球偏愛論』著者:塙宣之~話題の1冊☆著者インタビュー

『野球と漫才のしあわせな関係―極私的プロ野球偏愛論』ベースボール・マガジン社/1760円
塙宣之(はなわ・のぶゆき) 芸人。1978年3月27日、千葉県生まれ。漫才協会副会長。2001年にお笑いコンビ『ナイツ』を土屋伸之と結成。08年から3年連続でM-1グランプリ決勝進出。THE MANZAI2011準優勝、漫才新人大賞、第68回文化庁芸術祭大衆芸能部門優秀賞、第67回芸術選奨大衆芸能部門文部科学大臣新人賞など受賞多数。
――塙さんは生粋の巨人ファンとして知られていますが、いつから巨人が好きなんですか?【関連】『盗撮をやめられない男たち』著者:斉藤章佳〜話題の1冊☆著者インタビュー ほか

塙 ジャイアンツというのはもはや1つの〝宗教〟なんですよ。なので、生まれたときからファンだったとしか言いようがありません。あの頃の子供たちの多くは、僕と同じようにジャイアンツが一番という刷り込みを受けているんです。だからいまだにマインドコントロールが解けてないんです。


――本書ではお笑い芸人を野球選手で例えていますね。


塙 僕は野球選手はもちろん、芸人も大好きなので、よくそんなことを考えています。お笑いの「ビッグ3」でしたら、「明石家さんま=長嶋茂雄」「ビートたけし=野村克也」「タモリ=王貞治」でしょうね。王さんは868本のホームラン世界記録を持っていますが、タモリさんも『笑っていいとも!』で単独司会者による生放送8054回の世界記録を持っています。


また、「サンドウィッチマン=大谷翔平」でしょうね。理由は〝コントと漫才の二刀流〟という部分や、東北出身で、誰からも愛される国民的人気を誇っていることですね。

4番『青空球児・好児』、5番『おぼん・こぼん』

――では、漫才協会の〝ベスト9〟を選ぶとしたら?

塙 1.錦鯉(三)、2.U字工事(二)、3.ナイツ(投)、4.青空球児・好児(捕)、5.おぼん・こぼん(中)、6.ぴろき(一)、7.にゃん子・金魚(左)、8.ロケット団(二)、9.オキシジェン(右)です。トップの錦鯉はM-1を優勝したことでレギュラー入りを勝ち取りました。元気で出塁率が高く、ヒットだけでなくホームランを打てるのがポイントですね。


錦鯉は昨年、漫才協会に入ったばかりで、協会内ではまだまだ若手です。所属するソニー・ミュージックアーティスツは育成が上手いので、いわば広島カープ。いい選手が獲得できたと喜んでいます。5番のおぼん・こぼん師匠は仲直りをしたので、最近練習をよくするようになりました(笑)。本気を出してきたら最強のポイントゲッターになるでしょう。


もちろんそれも4番にボスの青空球児・好児師匠がどーんと構えているおかげですけどね。


――塙さんにとって〝野球ネタ〟とは?


塙 僕が野球をネタにするのは決してマニアックなチョイスなんかじゃありません。とても自然にボケが出てくるポピュラーなものなんです。好きなことを語っていくと、言葉のリズムが自然と良くなっていくんですが、興味のないことはうそのリズムになります。


僕の言葉と表情、生き生きしていると思いませんか?(笑)


(聞き手/程原ケン)