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JRA重賞『AJC杯』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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恐れていたことが現実になった。別に〝オミクロン拡大〟のことではない。先週「ルメール大将、この年末年始、重賞ではほとんど苦戦中であった」と書き、「どうやら天才、名手にもプチ・スランプはあるようだ」と続け、「最近の〝ルメール重賞不振中〟を目の当たりにすると〝アライバルと心中!〟とまでは正直言い切れない」とシメた。そして、結果は…オニャンコポンの激走に遭い、アライバルは無念の4着の暗転。先週登場したアライバルのペーパー馬主のSさんもさぞ悔しかろう。で、どこまで続く〝ルメール重賞不調の重症化〟現象である。

それにしてもオニャンコポンは強かった。5頭ボックスに入れた1頭だし、菅原明騎手は好きな若手だが、ここを軸にできなかったのが悔やまれる。一応〝映画関連馬券〟では選んだので多少の〝馬券ヒント〟は提供できたのかもしれないし、2着も「(アライバル軸3連複のヒモに)戸崎ロジハービンを選んでみよう」と文中に記しただけに、6頭ボックスにすれば…と思ってもアトの祭り、大魚を逸した。こういう場合、よく、〝実は追加で買ってました〟とか〝別の予想では当ててました〟と後出しジャンケンのようなことを平気で翌週に披瀝する予想家、著名人がいるが、見苦しいねえ。だいたいが、そのコラムを読んだ人に失礼だろう。買ったとしても黙っているのが矜持というものでしょ。ボクはそんな卑怯なマネは、このコラムでは絶対しない!と改めて誓い、正直に先週の反省(時々自慢)を記します。

さて、今週のAJC杯には、断然人気が予想されるオースクレースに騎乗するのが、モンダイのルメール大将である。さすがにそろそろ来るだろう、とは予想できる。エフフォーリアを筆頭に強い4歳世代だし(先週の日経新春杯では2頭出ていた4歳馬のワンツーだった)、菊花賞2着の看板はダテじゃないし、ジャパンカップや有馬を見送って、ここ1本のローテも好感が持てる。一見死角ゼロのように思えるが、今や〝ルメール自体が死角?〟と言われかねない最近の重賞成績ではある。

“映画関連馬券”はアサマノイタズラに注目だが…

ゆえに、ルメール軸はあまりにも危険…よってヒモの1頭とする。同じ4歳のアサマノイタズラはどうか。先週のオニャンコポンに続いて〝珍名くん〟の激走パート2もアリ? ただし直前までヤネが決まらず、中間も一頓挫あったとかで、今回は買いにくい。先週に続いて、といえば日経新春杯快勝のヨーホーレイクと同じ川田騎手・友道厩舎コンビのポタジェに目が行く。現在リーディング独走中の絶好調・川田だし、軸はルメールの馬ではなくこちらにしよう。他のヒモには今が旬の横山武に乗り替わるボッケリーニ、横山パパのキングオブコージ、大野騎乗の中山は合うアンティシペイト、前走が強かった北村宏のエヒトあたりか。

〝映画関連馬券〟としては、蹴ってしまったが、アサマノイタズラから『汚れなき悪戯』(55年)を思い出した。さびれた僧院で育てられた捨て子で悪戯好きのマルセリーノ少年が、納屋でキリスト像を発見し、像との奇妙な交流が始まり、やがて奇跡が起こる…ヒューマンな名作、と言いたいところだが、子供のころ、学校の視聴覚教育の一環で見させられた映画で、実は子供心に退屈だった、という記憶が拭えない。何せ、幼稚園のころキリスト像の前でメンコやってて、園長先生に叱られた経験がある〝信仰心、紙より薄い〟人間だからか。そんなバチ当たりな考えじゃあ、当たる馬券も当たらんか(苦笑)? アサマノイタズラが激走したら懺悔します。

最終的な買い目は、今週は前言通り、川田ポタジェ⑥から①⑤⑧⑨⑪の5頭へ馬連&3連複。今回はまあ少額投資に留めておいて、来週からの地元・府中開催にエネルギーを注ぎたい。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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