(画像)Masson / shutterstoc
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止まらぬ“無敵の人”のジョーカー化…模倣的凶行がどんどんエスカレート!

昨年発生した「小田急線刺傷事件」と、それを模倣した「京王線ジョーカー事件」を機に、〝無敵の人〟〝弱者男性〟による無差別殺傷事件が相次ぐ日本社会。この流れは、恐ろしいことに今後、さらに加速していきそうだ。


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小田急線の事件があったのは昨年8月。容疑者となったのは36歳の独身男性で、「女性なら誰でもよかった」との女性敵視により、小田急線の車内で次々と乗客を刺傷。可燃性が足らず失敗に終わるも、サラダ油による放火も行い、計10人を負傷させた。


この事件を参考にしたと語ったのが、ハロウィーンに起きた京王線事件の24歳容疑者だ。彼は映画『ジョーカー』から影響を受けたと明言し、主人公になりきって高齢男性を切りつけ、ライターオイルで車内で放火。調べには「仕事や友人関係がうまくいかなかった」「死刑になりたかった」など、自身の現状に絶望したことをにじませている。


「この事件以降、社会的に失うものが何もない〝無敵の人〟や、社会から孤立し絶望感を覚えた〝弱者男性〟による凶行を『ジョーカー』と呼ぶネットスラングがはびこり始めました。そして、そのキャッチーさや共感性からか、同様の事件が連鎖反応のごとく次々と起こっていきます」(事件記者)

事件に感化されるという負のスパイラル…

まだ年が明けて1カ月もたたない現段階でも、大きなものだけで2件の〝ジョーカー事件〟が起きている。

1月8日、代々木の焼肉店で店長を人質に立てこもった28歳の男性が、捜査員突入の末に監禁容疑で逮捕された。容疑者は調べに対し、「ホームレス生活をしている間に生きている意味が見いだせず、大きな事件を起こして死刑になればいいと思った」と供述。現実に希望がなく、死刑によってすべてを終わらせようとしたとの典型的なジョーカー的動機を語っている。


大学入試共通テスト1日目の15日には、17歳の高校2年生がジョーカーと化した。少年は会場である東京大学の前で70歳男性と受験生2人を次々と刺した他、最寄駅で火炎瓶による放火をしていたことも明らかに。動機については「東大を目指していたが成績が上がらず自信を失くした」などと供述しており、こちらも絶望感による犯行であることが明らかになっている。


「一連の事件は、いずれも、『社会や自身の現状に絶望した男性が、ヤケクソになって凶行に及んだ』という点で一致しています。そして、これだけ短期間に相次いでいるあたり、今後もこの流れは広がっていくと見ていいでしょう。考えられるのは、コロナショックで就職難となった男性や、非モテ男性による社会への報復的な犯行です。また、小田急線でサラダ油だったのが京王線でライターオイルに、東大では火炎瓶になっている点を見るに、犯人はみな同様事件の手口を〝改善〟させている。事件のインパクトから大きな報道がされますが、それを見て感化されるという負のスパイラルに陥っており、このままでは規模や被害もさらに拡大するでしょう」(同・記者)


コロナのみならず、ジョーカーにも怯えて暮らす時代が到来している。