日本テレビがよもやの大英断を下した。昨年の大みそかの特番『笑って年越したい!笑う大晦日』を今年も放送するというのだ。『笑う大晦日』は昨年休止になった『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』の代替番組として、局内の若手クリエーターやプロデューサーらを集め制作された年越し特番だった。
しかし、肝心の世帯視聴率は第1部=午後6時30分~9時が7.2%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)、第2部=午後9時~深夜0時30分が5.6%。昨年の『笑ってはいけない』第1部は17.6%、第2部も14.1%を獲得していただけに、素人目でも惨敗だと分かる結果に終わったのだ。
「日テレは長年にわたり、紅白真裏のトップの座を維持してきたのです。ところが、テレビ朝日の『ザワつく!大晦日』(前半12.1%、後半9.3%)に1位を奪われてしまった。『笑う大晦日』の制作費は計1億円あまり。大したスポンサーもつかず、半ば日テレの意地だけで作り上げたような番組だったため、大赤字になってしまいました」(広告代理店関係者)
当然、この結果を受け、「次はない」と誰もが予測しそうなものだが、驚くことに現時点で日テレ上層部はGOサインを出している。
“コア層”さえ取れていればいい
「局長会では『笑う大晦日』の総括が行われました。担当役員は6時間の生放送を無事成し遂げたことを報告したのです。そして、『今回の放送で直すべき構成は明らかになった。今年も是非、チャレンジする』とブチまけた。反対の声が出るかと思いきや、その場に居合わせた役員から拍手が沸き起こったそうです」(事情通)
日テレが『ガキ使』ファンから徹底的に叩かれた『笑う大晦日』の継続を判断した理由は、番組から抽出した視聴率データにある。
「日テレは視聴率の指針に個人視聴率を導入済みです。さらに、番組作りに際し、徹底してこだわっているのが13歳から49歳で構成されるコアターゲットを獲得することです。この層は市場に一番お金を落とす世代で、スポンサーのニーズとマッチする。結論から言えば、日テレはコア層さえ取れていればいいのです」(日テレ関係者)
『笑う大晦日』を大切に扱う理由がもう1つある。
「ダウンタウン対策ですね。数字の取れる番組は確かに魅力的ではあるが、それは両刃の剣。芸人がゴネれば、制作できなくなってしまうのです。さらに、BPO(放送倫理・番組向上機構)が示した『痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー』が今後、展開できない可能性も出てきた。そのためにも若手スタッフを結集した特番を開発しなければならないのです」(同)
来年は笑っていられるか。
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