日本全国☆釣り行脚~『クジメ』~千葉県銚子市/銚子マリーナ産

すっかり肌寒くなりまして、早くも寝起きに布団から出るのがツライ毎日を送っております。仕事がある平日も蛮勇を奮って起き上がっているありさまゆえ、休日にはそれはもう…。寂しい独り身のオッサンにとっては、温もりを享受できる唯一の時間ですからねぇ。

そんな出不精なたちですから、冬場に夜明けから釣りに出かけることはほぼなく、陽が高くなってからのんびりと動き出すことがほとんど。当然、気合いが入った釣り人に遅れをとることとなり、一級ポイントには入れません。でもいいんです。ワタクシは〝奥の奥〟とか〝裏の裏〟とかで。

高い指名料を払ったのに、ツンとした対応しかしてくれないナンバーワンより、人気がなくても優しくて反応のよい娘のほうがイケるってもんです(注:個人の感想です)。そんな話をしていたら、なんだかムラムラしてきて、竿を穴に挿したい欲望が高まってきました。

ということで友人に連絡を入れると、「これから竿を出しに行くけど一緒に来る?」とありがたいお誘いが。どこに行くのかも聞かぬまま、迎えにきた友人の車に乗って竿出しに向かいました。

千葉県・銚子の堤防で食いつくのを待つ

途中、昼食を取ったりしながらゆるゆると走って辿り着いたのは、千葉県の東端・銚子。無数のヨットやプレジャーボートが係留されている、マリーナの外側に伸びる堤防へ歩いていきます。友人は、房総や伊豆の地磯にも出かけるアクティブな釣り人なので少々不安でしたが、ここならひと安心。どうやら堤防から、の~んびりな釣りを楽しむようです。

ワタクシは先だってのカジカ狙いの穴釣りが忘れられず、堤防と消波ブロックの間に仕掛けを落とす「穴釣り」を開始。何を狙うか決めかねていた友人も、同じように隙間に仕掛けを落としています。キミも好きだねぇ~。

ハリにサバやイカの切り身を付け、より深く、奥の奥まで仕掛けを落としていきます。糸の出が止まっても、竿を少し動かしてやるとさらに深くまで落ちていきます。この瞬間がタマランのですよ。

「オッ、まだイケるじゃないの。コッチのほうがいいかい?」

完全に変態顔でニヤニヤしながら、より深くまで仕掛けを落とし込み、あとは竿を置いて魚が食いつくのを待ちます。

竿先には魚からのアタリを知らせる鈴をつけてありますから、ボ~ッと景色を見ていても、弁当を食っていても、果ては、うたた寝していても安心なのです(まだ寝るのかよ!)。

西日を浴びながらまったりと待っていると、「なんかきた~」と友人から声が上がりました。駆け寄ってみると、20センチほどの茶褐色の魚をぶら下げております。

掛かっていたのはアイナメかと思いきや、近縁種のクジメでした。パッと見はそっくりですが、アイナメほど成長せず、尾ビレの後端が丸っこいことで判別できます。

こういった根魚系の魚は、バタバタと食ってくることがあるので気合いを入れて待ちますが、私の竿には食いついてくれません。何の慰めか、消波ブロック越しに遠投していた竿にイシモチが掛かりましたが、こちらも単発…。

友人もその後は沈黙が続き、やがて日没となった頃合いでギブアップ。2人とも薄着だったため、海風が寒すぎて…。頑張って半夜釣りに突入してもよかったのですが、風邪を引くこともはばかられるご時世ですから、無理せず帰路に就くことにしました。

まさかこんな貧果に終わるとは思わず、いずれの魚もワタクシが貰い受けておりました。せっかくの食材なので、なんとか晩酌のお供にしたいのですが、小物が2尾では何とも…。

骨ごとブツ切りをぶっ込んで韓国風のチゲ鍋!

こんなときは、野菜や豆腐などと一緒に鍋料理にして楽しむのがイチバン。友人は急きょ、彼女と夕飯を食べる約束をしたと言うので、1人鍋で楽しみます。どうだ羨ましいだろ! オレは羨ましいぞ!

すっかり冷えきった身体を温めるにはピリ辛が一番。ということで、韓国風のチゲ鍋を作ることにしました。下処理したクジメやイシモチをブツ切りにし、ほかの具材と一緒に煮込むだけ。調理は至極簡単です。

あ~、温まるなぁ。唐辛子の辛味と野菜の旨味、そして何よりも、骨ごとブツ切りにした魚から出るダシが、身体の芯から温めてくれます。