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阪神&巨人“マネーゲーム”留保…国内FA市場を静観した真相

(画像)WAYHOME studio / shutterstock

「今オフは大変だったよ…」

某球団スタッフが契約更改の後にため息をついていた。それも、複数球団の…。咋シーズンは新型コロナウイルス感染防止の観点から入場者制限が課せられた。そんな収入ダウンのオフに〝ボヤキの声〟が聞かれるのも当然だろう。

しかし、その理由はコロナ禍のせいばかりではなかった。今年のオフは、国内FAの取得予定選手が〝大豊作〟なのだ。

「球団は主力選手がFA権を取得するシーズンの前年に、複数年契約を持ち掛けます」(スポーツ紙記者)

外部補強にも熱心な巨人、阪神が21年オフのFA市場参戦を見送ったのは、今季に備えるためともっぱら。

「21年オフは、ソフトバンクが中日から又吉克樹を獲得しただけでした。FA取得選手も球団の懐事情が苦しいのは分かっていたので、『売り時ではない』と判断したのでしょう」(同)

それが一転、22年オフは大豊作となる。パ・リーグからは千葉ロッテの中村奨吾、東北楽天の涌井秀章、浅村栄斗、炭谷銀仁朗、ソフトバンクの和田毅。セ・リーグではヤクルトの西浦直亨、阪神の岩崎優、広島の野間峻祥、中日の岡田俊哉と松葉貴大、高橋周平、DeNAの三嶋一輝など…。

左の和製大砲を欲している巨人は…

楽天の松井裕樹やソフトバンクの武田翔太らは新たに複数年契約を結んだが、阪神の西勇輝のように22年で長期契約が終了するピッチャーもいる。西の昨季の成績はパッとしなかったが、実績は十分。指揮官・矢野燿大監督の信頼を取り戻すことができなければ、「こんなはずじゃない!」と言い出すかもしれない。

「注目は中村、高橋、三嶋の3人。中村に対する井口資仁監督の信頼は絶大ですが、信頼関係が構築されていても、かつて鈴木大地のようにFA権を行使して楽天入りした例もあります。3割を打てる二塁手が動くとなれば、争奪戦は必至。中日の渋チン査定に高橋も嫌気が差しているでしょうし、救援タイプの三嶋への評価も高い。左投手を欲している球団は岡田、松葉に注目しています」(球界関係者)

阪神が岩崎を厚遇したら、西にもプライドがある。「移籍すれば昇給」なる国内FAの図式も変わっていない。

「巨人は左の和製大砲を欲しています。故障の梶谷隆幸が開幕戦に出遅れるようなことになれば…」(同)

22年シーズンは、グラウンド外も熱くなりそうだ。

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