北朝鮮・金正恩総書記“壁の落書き”にブチ切れてミサイル発射連発!
去る1月8日は金正恩総書記の誕生日だった。1984年生まれとされるので、独裁国家の三代目は満38歳を迎えたことになる。
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「正恩氏の誕生日は祖父の金日成主席、父の金正日総書記と違って祝日ではありません。なので、これまで国営メディアが誕生日に言及したことはなく、公開祝賀行事も行われていませんでした。それでもわずかな特別配給だけはあったのですが、今年はそれさえもなかったようです。国民は落胆したでしょう」(北朝鮮ウオッチャー)
また、北朝鮮は1月7日の17時から9日いっぱいまで、今年初めての特別警備体制に入ったが、それには昨年12月22日に起きた前代未聞の事件が影響しているとみられる。
「韓国メディア『デイリーNK』によると、落書きが見つかったのは平壌の平川地区でした。マンションの外壁に《金正恩の犬野郎、おまえのせいで人民が餓死している》という内容が記してあったのです。犬野郎という言葉は、朝鮮語のありふれた罵倒語ですが、神聖不可侵の存在である正恩氏に対して使われたとなれば、政治的な大事件です」(同・ウオッチャー)
2018年に起きた落書き事件では、犯人とされた朝鮮人民軍作戦局上級参謀の大佐ら2人が、自動小銃で公開処刑され、家族は政治犯収容所送りになっています。また、李雪主夫人のスキャンダルについてウワサ話をした芸能人たちも公開処刑されていますから、今回の落書き犯も逮捕されれば極刑は免れないでしょう」(同)
北朝鮮の経済は、かねての国連制裁に加え、新型コロナの防疫対策として20年1月末から実施している国境封鎖措置で、命をつなぐのがやっとの状態だ。
「国家存亡の危機にもかかわらず、22年の方針を決める中央委員会総会で正恩氏が指示した政策には、画期的なものが何もありませんでした。しかも、消毒薬の不足から腸チフスなどの感染症がまん延しており、すでに生活難は一般市民だけでなく、党幹部の足もとにまで迫っている。北朝鮮の全権を掌握しているのは正恩氏ですから、誰から見ても犬野郎ですよ」(国際ジャーナリスト)
国内外に示せる成果は軍事力だけ…
北朝鮮は年が明けた1月5日、新型の「極超音速ミサイル」を発射し、この実験に成功したと発表した。その後も17日までの間に、計4回のミサイル発射を行っている。「韓国国防省の関係者は、この〝極超音速ミサイル〟に関し、『そう呼ぶには技術的にも不十分』と評価しました。速度はマッハ6と極超音速(マッハ5以上)に達しているものの、飛行距離などが誇張されており、韓国の『玄武2C』と同じ機動式再突入体(MARV)を搭載した弾道ミサイルという分析です」(軍事ライター)
正恩氏は何かしらの圧力を感じており、その焦りがミサイルの実体誇張、さらには日を置かずの連射につながっているという見方もある。
「考えられるのは、やはり昨年末の落書きでしょう。正恩氏には、国内外に示せる成果がほとんどなく、唯一の例外が軍事力。ミサイルの性能向上は、正恩氏の拠り所なのです」(同・ライター)
そして、もう1つの正恩氏の焦りは、昨年9月15日に合意した米英豪3カ国の新たな軍事同盟「AUKUS(オーカス)」である。
オーカス創設には中国が真っ向から反対していたが、北朝鮮も直ちに非難声明を出している。というのもオーカス創設発表の直前、昨年9月11~12日の両日に、北朝鮮は新型長距離巡航ミサイルの発射実験を行っているからだ。
北朝鮮にとって目障りなのは、米国の原子力潜水艦に関する技術がオーストラリアに供与され、同国海軍が原潜を配備すること。米第7艦隊だけでなく、ステルス性を備えた豪原潜に迎撃されれば、せっかくの新型長距離巡航ミサイルも無力化されてしまう。
実妹の金与正が軍を掌握!?
「核保有国化を目指してきた正恩氏が、オーカスと日米豪印の『Quad(クアッド)』、さらには日米同盟の深化という〝3本の矢〟に、眠れない夜が続いていることだけは間違いありません」(同)また、日豪も直接タッグを組む。岸田文雄首相は1月6日、オーストラリアのモリソン首相とテレビ電話で会談を行い、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練を行う際の手続きなどを定めた「日豪円滑化協定」に署名した。
このように治世10年を迎えた金正恩政権は、内外ともに八方ふさがりの状態にある。そんな中、今回の中央委員会総会であらためて浮き彫りにされたのが、「権威は正恩氏に集中し、責任は部下に分散させる」という、ある意味で逃げとも言える統治体制だ。
「米政府系報道機関である『ラヂオ・フリー・アジア』は、昨年10月中旬、正恩氏が実妹の金与正党副部長を朝鮮人民軍最高司令部の後方支援総司令官に任命していたと報じました」(前出・国際ジャーナリスト)
この役職は、北朝鮮軍の兵站などの総後勤部門を総括する役割を持つ。すでに与正氏は、朝鮮半島の南北問題と外交問題全般の責任者に就いており、いよいよ全権ではないにせよ軍まで掌握することになったとみられる。
「独裁者以外の親族が軍を掌握するということは、結果的に2人の独裁者を生むことになり、独裁国家では異例の事態です」(同)
今年、正恩氏は新年のあいさつを行わなかった。10年間、全く好転しない国政運営に嫌気が差しているのだろう。
すでに健康悪化と能力不足から、「君臨すれども統治せず」という施政に変わっているのかもしれない。
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