江川卓 (C)週刊実話Web
江川卓 (C)週刊実話Web

横浜DeNA次期監督の座を巡る暗闘…構想に江川卓氏が急浮上!

横浜DeNAベイスターズが次期監督に江川卓氏を担ぎ出す準備を進めている。


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昨年12月で球界進出から10年が経過。これでNPBに預けていた保証金25億円が返却され、東京オリンピック開催に伴い横浜スタジアムを貸し出した損失補填金21億円も入り、球団にバブル到来。巨額資金が計画を後押しする!


「さすが女性初の経団連副会長。今季、球界の本当の主役は新庄日ハムではなく、金満の横浜DeNA。スケールが違う」(スポーツ紙記者)


新年を迎えた球界で、あらためて経営手腕を評価されているのが、史上初の女性球団オーナーとなった横浜DeNAの南場智子氏だ。他球団がコロナ禍に伴う無観客試合の影響で20億円超の赤字を余儀なくされる中、ベイスターズだけは、ほぼ無傷。政府から20億円超の〝損失補填金〟を難なく手にしたからだ。


大手証券会社のアナリストが舞台裏をこう明かす。


「昨年11月に親会社のディー・エヌ・エー(DeNA)が発表した第2四半期決算で分かったことだが、ベイスターズは東京五輪開催でハマスタを使えなかったことにより、国から20億9000万円の損失補償金を得ている。南場オーナーは女性初の経団連副会長に就くなど、財界、政界にも太いパイプを持っている。無観客での五輪開催を想定していたし、プロ野球も無観客は避けられないと、東京五輪の野球競技を積極誘致した成果だ」


横浜DeNAには、もう1つ〝財政爆上げ〟がある。プロ野球に新規参入する際、新規参加・譲渡にかかわらず加盟時にNPBに「預かり保証金」として30億円を支払うことが制度化されている。このうち25億円は10年間球団を保有すれば、返還されるシステムなのだ。


DeNAが、TBSホールディングスが保有している横浜ベイスターズ株を買い取り、商号変更により、「横浜DeNAベイスターズ」としてNPBに承認されたのが、2011年12月。昨年末に満期を迎え、25億円が球団に戻ってきたのだ。

1位予想でオーナーの関心を誘った江川氏

コロナ禍前もベイスターズはインターネットの有効活用や斬新な集客手法で4年連続で黒字経営を続けていたことで、コロナ禍の赤字も免れている。そこに、なんやかんやと約46億円もの資金が転がり込み、チームの将来像も大きく変更。球団はこの資金を使い、今後5年間で世界最先端のチームに育て上げる方針だ。その計画の中で動き出したのが、かつて巨人の大エースだった江川卓氏の「次期監督擁立案」だ。

昨年10月、本拠地最終戦で南場オーナーは「結果を残せず、ファンの皆さんに心からおわび申し上げたい」と6年ぶりの最下位を陳謝し、「来年、この悔しさを晴らしてください」と、2年目を迎える三浦大輔監督に期待を寄せた。同時にこれは「今年(2022年)も優勝を逃せば自動的に監督交代」という最後通告の側面を持つという。


「南場オーナーが見据える後継監督は江川氏。きっかけは、昨シーズンの同氏のセ・リーグの順位予想に行き着く。江川氏は1位にDeNAを挙げ、以下、巨人、中日、阪神、広島、ヤクルトと予想した。東西の著名な野球評論家の中でDeNAをイチ推ししたのは江川氏だけだった」(前出のスポーツ紙記者)


結果は6位に終わったが、江川氏は南場オーナーの関心を誘い、「次期監督候補」の副産物を得たという。


昨季の敗因はコロナの影響による入国制限で、T・オースティンをはじめ外国人選手の来日が開幕に間に合わず開幕6連敗。さらに4月には悪夢の10連敗。「これさえなかったら優勝の可能性もあった」として、今季もポテンシャルの高さは広く知られている。


さらに、巨人の原辰徳監督が契約を3年延長したことで、今年5月で67歳となる江川氏の巨人監督の可能性は事実上消滅。次善の策として矛先を向けたのがDeNAで、だから売り込みにも余念がないのだ。

江川氏にとって監督就任のラストチャンス

「04年の球界再編以降、新たに参戦して優勝がないのはDeNAだけ。なんとしても初優勝が欲しい南場オーナーと今回が監督就任のラストチャンスと捉えた江川氏の狙いが合致した構図だ。三浦監督との契約は今季までの2年間。V逸なら江川監督誕生だろう」(同・記者)

その江川氏は昨年12月末、約12年間出演してきた日本テレビ系のスポーツ番組『Going!Sports&News』を卒業。良好な関係にある原監督から巨人の球団アドバイザーや臨時コーチの誘いを受けているというが、すべて固辞して、ジャイアンツカラーの一掃に努めている。


一方、昨季まで巨人の野手総合コーチだった石井琢朗氏が、今季から横浜DeNAのコーチに転身。一部で原監督との不仲が原因とされるが、「江川ベイスターズの先乗り」との情報もある。


「中学・高校と栃木県で過ごした江川氏と佐野市出身の石井氏は気心が通じる仲。そこで原監督が石井コーチを古巣に復帰させ、江川氏を待ち受ける環境を整えたのが今回の移籍の真相」(巨人OBの野球解説者)


横浜DeNAには巨人を戦力外になった後、18年のトライアウトで横浜入りした中井大介氏が、今季からゲームアナリスト(スコアラー)に転じた。彼もまた〝江川政権準備室〟の構成員とウワサされているが…。


DeNAの前々監督は、巨人OBの中畑清氏で好評だった。地元横浜の財界首脳たちも「我々もファンも大歓迎」と支援している。