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JRA重賞『京成杯』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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トータルプラス決算2年連続へ、今年も勝つぞ! と威勢は良かったが、新年のシンザン記念でハナからズッコケた。

牝馬のラスールを軸一本の大本命にし、「何せ鞍上のルメールが『新しいグランアレグリア』と絶賛」するもんだから、その尻馬に乗り、「この春に定年の名門・藤沢和厩舎〝最後の年〟の逸材」「ルメール大将の〝重賞勝ち初め〟はこの馬!」とブチあげた私がアサハカでした。

ラスールはいいところナシの7着。惨敗と言っていいだろう。後で考えれば、初戦の鮮やかさに、ルメールの名言(迷言になってしまったが)「新しいグランアレグリア」に惑わされたようだ。とはいえ、これにめげず、ラスール嬢には捲土重来を期待したい。次も応援するからね。さらに傷口に塩を自ら塗れば、馬券的に無視した横山典マテンロウオリオンに勝たれ、川田のレッドベルアームにも3着に残られたのだから、言い訳無用の完敗予想、冷や汗もの。

ところで、ふと気が付いてみると、ルメール大将、この年末年始、重賞ではほとんど苦戦中であった。12月1週のGⅢチャレンジCを勝ったのを最後に、翌日のチャンピオンズC以降負けっぱなしであった。すべて人気以下の着順で、馬券になったのは有馬のクロノジェネシス2番人気で3着のみという体たらく。中日新聞杯、阪神Cなんかペケだもの。阪神JF、朝日杯FSではともに2番人気の馬で7着、5着。ホープフルS、シンザン記念、フェアリーSと年末年始の騎乗機会3連続も1、2番人気の馬で凡走…って、ルメール史上でも稀なのでは? 深刻度が増しているではないか。どうやら天才、名手にもプチ・スランプはあるようだ。まあ、例年1月はスロースターターのルメール大将なんだけどね。

で、期待と不安が入り混じるのが、今週の重賞。本来はグレード的にはGⅡの日経新春杯を、GⅢの京成杯より優先すべきところだが、敢えてルメールが出陣する後者を狙ってみたい。それだけ彼の乗るアライバルを、新馬戦、次走の重賞2着(新潟2歳S)と当てて、今度も買うぞ! と意気込んできたからだ。

“映画関連馬券”はオニャンコポンに注目!

実を言うと、今回出走のこのアライバルとホウオウプレミア、そして先週完敗したラスールは、昨年もこの欄に時々登場した馬友S氏のペーパー持ち馬なのだ。彼も先週はきっとホゾを噛んだろうから、今週はぜひリベンジしてほしいのはやまやまではないか。とはいえ、最近の〝ルメール重賞不振中〟を目の当たりにすると〝アライバルと心中!〟とまでは正直言い切れない(Sさん、ゴメン)。というわけで、万一を考えて、弱気の5頭ボックス+アライバル流し作戦を恥も外聞もなく敢行することにした(おいおい)。

アライバル以外の4頭は、ホープフルでも買った菅原明オニャンコポン、昨秋の東スポ2歳の3着馬の和田テンダンス、エリカ賞2着の藤岡佑ヴェールランス、前記のホウオウプレミア(S氏はアライバルとの〝ペーパー馬主親子丼〟を狙っているのであろう)。あとアライバルのヒモに永野ルークスヘリオス、戸崎ロジハービンを選んでみよう。

〝映画関連馬券〟はオニャンコポンから『おニャン子・ザ・ムービー 危機イッパツ!』(86年)はどうか。ちなみのオニャンコポンは珍名ではなく、某国の言葉で〝偉大な人〟という意味だそうだが、やっぱり日本人なら往年のアイドル・グループ〝おニャン子クラブ〟を想起するよなあ。おニャン子たちの楽屋裏などをドキュメント・タッチで撮りつつ、彼女たちの熱狂的ファンとの関わりをサスペンス調でコミカルに描いたもの。元々アイドルより〝アイドルくずれ〟の熟女が好きなクチなので、別にこの作品に心動かされたわけではないが、根強いファンには〝お宝〟なのだろう。その気持ちは分かる。監督は今や『日本のいちばん長い日』(15年)、『燃えよ剣』(21年)など巨匠と呼ばれて久しい原田真人。初期にはこういうアイドル映画も撮っていたのだ。

最終的な買い目は、今週は前言通り馬連&3連複④⑤⑩⑪⑭のボックス、⑤⑥、⑤⑮の馬連、3連複の⑤⑪縛り、⑤⑭縛りで⑥⑮へ。オミクロン株の一刻も早いピークアウトを祈りつつ、重賞〝初当たり〟も併せて願いたいところだ!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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