『痛みの悩み相談室』~整形外科の診療内容(監修/井尻慎一郎先生)

整形外科は、骨や関節、筋肉、神経などを扱う科のことをいいます。例えば、首や背中、腰、肘、手、股、膝、足の痛みやしびれ、動きの悪さなどを診療します。昔は外科がすべての手術やケガの治療を行ってきましたが、この数十年で脳神経外科や心臓血管外科、呼吸器外科、泌尿器科、形成外科などの専門科が確立され、整形外科もその1つとして生まれました。現在、一般的に「外科」といえば、食道や胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、胆嚢などの消化器系を手術する消化器外科を指します。

整形外科では病気以外の手足や首、背中、腰のケガや骨折、脱臼、捻挫なども扱うほか、スポーツによる障害、骨や筋肉の腫瘍、骨粗しょう症、骨格の変形など、頭部以外の頸部から下の様々な障害も診断・治療します。交通事故災害や労働災害も扱いますが、関節リウマチのように、整形外科と内科でそれぞれ、あるいは協力して治療する場合もあります。

整形外科は、まぶたを二重にしたり、顔のシワを取ったりする美容外科あるいは美容整形と混同されることが多いです。そのため、整形外科の名称を「骨・関節科」や「運動器科」にしたほうが分かりやすいという意見も出ています。

また、「外科」という名称を用いているので、手術を行うイメージがあります。しかし、病院では手術をしますが、一般開業医では大抵の場合、内科的、保存的な治療を行っています。

監修/井尻慎一郎先生 井尻整形外科院長。医学博士。著書・監修書に『痛いところから分かる 骨・関節・神経の逆引診断事典』(創元社)、『筋肉のからくり 動かし方を変えるだけでコリと激痛が消える!』(宝島社)などがあるほか、論文、講演、テレビ出演などで活躍中。井尻整形外科HPは下記。 https://ijiri.jp