社会

首都直下地震の最終警告!? 小笠原諸島の“震度5強”が不気味過ぎる…

(画像)SB Arts Media / shutterstock

首都直下地震にまた一歩近づいた!?

1月4日午前6時9分ごろ、東京・小笠原諸島の母島で、父島近海の深さ77キロメートルを震源とするM6.1、震度5強の地震があった。

「小笠原諸島で震度5強の揺れを観測したのは、2015年5月30日に発生した小笠原諸島西方沖を震源とするM8.1の地震以来です。昨年暮れには富士山の麓で震度5弱の地震があり、同10月には東京都足立区で震度5強の強い揺れを観測した。そして、小笠原で震度5強…。首都直下が切迫しているとしか思えません」(サイエンスライター)

現在の日本は地震の活動期と指摘されて久しい。首都直下は大丈夫か。

武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏が解説する。

「小笠原近海にはプレート境界があり、フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込み、震源の深い地震が発生しやすい。ところが、今回の震源は77キロメートルで、震源が比較的浅い地震は最近起きていない。地震直後に津波警報が出ていましたが、もう少し震源が浅いと、間違いなく津波が発生していたと思いますね」

実は、小笠原近海を震源とする地震が発生して、「その津波が首都圏に襲いかかる」と危惧する声が一部にある。

安政の東海・南海地震も寅年だった…

「深いところでプレートがズレると、浅いところで地震が発生する恐れもある。巨大地震が発生しやすい地域として、小笠原近海を挙げていた研究者もいます。震源が深さ60キロメートル、70キロメートルでは津波は発生しませんが、20キロメートル、30キロメートルの地点では津波が襲う。その時が非常に怖いですね。地震発生直後、気象庁は1週間ほど最大で震度5強程度の揺れを伴う地震に注意するよう呼び掛けていたが、当分、同地域での地震と津波には注意すべきです」(前出のサイエンスライター)

昨年は地震の活動期にふさわしく、震度5弱以上の地震が10回発生した。そのうち半分以上は後半に起きているのだ。

「フィリピン海プレート自体のひずみが起こす地震も少なくない。小笠原の地震がまさにそうです。フィリピン海プレートは活性化していると言われますが、浅いところで起こった地震は、プレートの地震活動の度合いが上がっていることを示しています。小笠原から1000キロメートル近く離れている東京23区も、同じフィリピン海プレート上に載っている。関東の異臭騒ぎはひとまず収まりましたが、首都直下地震が非常に心配です」(前出・島村氏)

地震の発生が先に延びれば延びるほど、それだけエネルギーをためこみ規模が大きくなる。安政の東海・南海地震(1854年)も寅年だった。次に起きる首都直下地震の巨大化は、避けられないかもしれない。

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