社会

サファリパーク飼育員を襲った“癒やし系”ベンガルトラに何が起こったのか…

(画像)Roman Samborskyi / shutterstock

1月5日の午前8時半ごろ、栃木県那須町の『那須サファリパーク』で予期せぬ惨劇が起きた。

那須塩原署や同園によると、飼育員の男女3人がトラ1頭にかまれるなどし、女性(22)が右手首を失う重傷、別の女性(26)は複数箇所をかまれ、男性(24)も頭蓋骨骨折の重傷を負ったという。

「獣舎は動物が入る小部屋が連なり、飼育員が作業をするキーパー通路と動物が展示スペースに出るためのアニマル通路で構成されています。前日の夜、トラが小部屋に入ったのかよく確認せず施錠した疑いがあり、トラは一晩中、通路のどこかに潜んでいた可能性があります。そして、朝に飼育員といきなり通路で顔を合わせ、パニックになって襲ったようです」(サファリパーク関係者)

那須サファリパークはゾウやキリン、ホワイトライオンなど、70種約700匹の動物が広大な敷地の中で飼育され、専用バスやマイカーから見学できる。しかし、これまでにも1997年と2000年に、飼育員がライオンに襲われる事故が発生している。

「推し虎グランプリ」人気投票1位

今回の事件を起こしたトラは、10歳のベンガルトラの雄「ボルタ」で、体長は約2メートル、体重は150キロあまり。黄金の毛色を持つ、世界中で約30頭しか飼育されていない希少種だ。

同園では今年の干支にちなみ、1月2日に動画投稿サイトでボルタを公開。すると、全国のサファリパークや動物園が参加する「推し虎グランプリ」の人気投票で、1位にランキングされた。

施設側は「ボルタが悪いわけではなく、管理に問題があった」(施設支配人)として、徹底した原因究明と再発防止に努めるため、当面は休園するとしている。

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