
イトーヨーカ堂とイオンの明暗…スーパー事業の正念場~企業経済深層レポート
関東地方を中心に19都道府県で展開する『イトーヨーカ堂』が、このところ、続々と店舗(イトーヨーカドー)を閉鎖している。
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衣食住にまつわる商品を取りそろえて販売してきた総合スーパー(GMS=ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)に、いったい何が起きているのか。
昨年5月、北海道旭川市で1980年にオープンしたイトーヨーカドー旭川店が、40年余りに及ぶ営業を終えて閉店した。地元の商工関係者が言う。
「本当に地元で愛された店でした。それでも閉店というのは採算が合わなかったのでしょう」
昨年9月には、愛知県刈谷市でもイトーヨーカドーの灯りが消えた。消費生活アドバイザーが解説する。
「ショッピングセンター内の核店舗だった刈谷店は、79年にオープンしました。県内に5つあるイトーヨーカドーの中でも二番目に古かったが、とうとう閉店に追い込まれてしまった」
イトーヨーカドーの閉店は、北海道や愛知県だけではない。2019年から21年までに各地で約20店舗が閉店しており、ただならぬ状況にあるのが分かる。今年は1月16日に日立店(茨城県)、7月には函館店(北海道)の閉店が予定されている。
流通業界関係者が、大量閉店の背景を明かす。
「イトーヨーカ堂は15年3月~11月決算で、過去最悪となる144億円の営業赤字に陥り、抜本的な立て直しを図りました。当時の約180店舗のうち、収益改善が見込めない40店舗を閉鎖する方針を打ち出し、現在も徐々に閉店を進めているのです」
では、不採算店が増加した要因はどこにあるのか。経営コンサルタントが分析する。
売り上げを支えていた世代の高齢化が深刻…
「高度成長期から90年前後のバブル期にかけて、食品から衣料品まで多品種を扱う総合スーパーは、大量仕入、大量販売方式で消費者に受け入れられ、業績は右肩上がりに伸びていた。だが、バブル崩壊後、急速に陰りが見え始め、総合スーパーは否が応にも転換を迫られました」業界を代表する『ダイエー』が経営難に陥り、04年に『イオン』グループと連携するようになった時点で、総合スーパーは旧来の役目を終えたとも言われる。
「ダイエーの業績悪化が表面化した頃、衣料品は『ユニクロ』『しまむら』、家電は『ヤマダ』、家具は『ニトリ』と、専門店の時代に移りつつあった。しかし、イトーヨーカ堂は創業の原点が衣料品だったこともあり、オリジナル衣料にこだわって大胆な業態転換が遅れてしまった」(同)
総合スーパー離れの理由は、さまざまある。前出の流通業界関係者が言う。
「店舗の老朽化に加え、人口減少の中で他店との競争が激化し、採算が厳しくなったために、閉店を決断せざるを得ない総合スーパーが増えました。また、売り上げを支えていた世代が高齢化し、身近なコンビニやミニスーパーなどで、買い物を済ませる人が急増したことも挙げられます」
しかし、イトーヨーカ堂と同じく、総合スーパー事業が経営の主体で、共に業界をけん引してきたイオンはどうなっているのか。
実はイオンもイトーヨーカ堂と同様、15年ごろから不況に苦しんでいた。イオンの17年2月期第1四半期(16年3月~5月)決算を振り返れば、一目瞭然だ。
同決算で、売上高は前年同期比1.3%増の2兆461億円だったが、最終損益は前年の黒字から62億円の赤字に転落。その足を引っ張っていたのが総合スーパー事業だった。
今やイオンは不動産業と金融業が主体
「当時のイオンは、コンビニや衣料品専門チェーンとの競争激化を背景に、業績低迷に苦しんでいた。しかし、昨年7月に発表した22年2月期第1四半期(21年3月~5月)決算では、売上高に相当する営業収益が、前年同期比3.7%増の2兆1532億円と、過去最高を更新している。中でも総合スーパーの躍進が目立っていました」(同)イオンはここ数年、コロナ禍などでアップダウンはあるものの、数千台規模の巨大駐車場を持つイオンモールに多数のテナントを集め、顧客を引き寄せている。そして、イオン自体にもプラスとなるビジネスモデルを確立した。
「つまり、イオンは総合スーパーより、不動産業と金融業を主体とした企業に変わりつつあるのです」(同)
ならば、そうした仕掛けのないイトーヨーカ堂の総合スーパー事業は、今後さらに閉鎖と縮小を余儀なくされるのか。前出の経営コンサルタントが言う。
「18年に総合ディスカウントストアの最大手『ドン・キホーテ』の傘下に入った『ユニー』は、東海地方を中心に総合スーパーの『アピタ』(売上高国内第3位)を展開しているが、ここ数年は売り上げが頭打ちになり苦しんでいた。だが、一部店舗をドンキ化したところ、若年層を中心とした新規顧客を呼び込み、飛躍的に伸びたのです」
翻ってイトーヨーカ堂は、店内に有力テナントを誘致するなど、いまだ模索が続いている。しかし、その名前は広く知られており、アピタ同様、大胆な異業種とのコラボなど工夫次第では、まだ白いハトが羽ばたく可能性は大きく残されているだろう。
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