昨年12月9日、外食チェーン大手のワタミが新業態のすし事業に参入。
1号店として東京・JR錦糸町駅前に『寿司と大山どりのお店 すしの和』(以下、すしの和)をオープンした。
コロナ禍で大打撃を受けたワタミは、早々に居酒屋業態からの脱却を模索し、焼肉店『焼肉の和民』や唐揚げ専門店『から揚げの天才』などへの多角化を進めてきた。
『すしの和』は回転寿司と一線を画したコンセプトで、マグロの赤身などを1貫96円から提供し、大山どりの焼き鳥や鍋料理もメニューに取りそろえている。
今後は2024年3月期までに30店舗を展開する計画で、フランチャイズ化やデリバリー事業も開始する予定だ。
生き残るためには業態転換しか道がない…
ワタミの渡邉美樹会長兼社長は「客単価は一般的な回転ずしより1000円高い2500円程度を想定し、ファミリー需要を取り込む。来店の頻度が回転ずし店の3回に1回になっても、7000億円超の回転ずしマーケットの3分の1が狙える」と目論んでいる。
一方、大手回転ずしチェーンも顧客獲得のため、ユニークな新店舗を相次いで出店している。『くら寿司』は昨年12月に、Z世代(10代後半から25歳前後)向けの新店舗を東京・原宿に出店。SNSを意識した「世界一映える寿司屋」がコンセプトだ。また『スシロー』も同時期に、アメリカンダイナーをイメージした『ユニバーサル・シティウォーク大阪店』(大阪市)をオープンした。
「焼肉が流行すれば焼肉店を出店し、今度はすし店で節操がないが、生き残るためには業態転換しか道がない」(ワタミ社員)
ワンマンで有名な渡邉会長の経営手腕が問われる。
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