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巨人・原監督「有力後継カード」に“再登板”高橋由伸氏が浮上!

東京ドーム
東京ドーム (C)週刊実話Web

2年ぶりのリーグ制覇、10年ぶりの日本一奪還に向けて原巨人が新たにスタートした。

昨年のシーズン終了後、新たに3年契約を結んだとされる原辰徳監督だが、次期監督には候補者が乱立。チーム内競争が激しさを増す中、原監督が「高橋由伸の再登板」へ舵を切り大混乱。そこには絶妙の仕掛けが――。

「えっ、次は我々でなく、前監督の返り咲き…。話が違う。とてもじゃないが、ついていけない」

巨人は1月中旬に今季のチーム方針を決めるスタッフミーティングを開くのが新年の恒例となっているが、子飼いのコーチ陣から原監督への不信感が強まっている。有力後継者と目される阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチ、元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチ、そして桑田真澄投手チーフコーチのみならず、候補に数えられる二岡智宏二軍監督、駒田徳広三軍監督、川相昌弘ファーム総監督たちが年末に伝わった「ある情報」に浮き足立っているのだ。

「発端は、原監督が『次期監督に高橋由伸氏の再登板を決断し、読売首脳に進言した』という情報です。今季、優勝を勝ち取り、論功行賞で『次期監督のお墨付き』を期待した各コーチたちは、2月1日のキャンプインを前に肩透かしを食った格好なんです」(日本テレビ関係者)

さらにこの関係者によれば、原監督の任期が満了した昨秋、優勝を逃したことで読売首脳は由伸氏を再登板させる方針を決め、スケジュールの再調整に着手したという。「ポスト原」に期待された阿部二軍監督、桑田投手チーフコーチ補佐(役職は当時)が結果を残せなかったこと、さらに6年前に原巨人が野球賭博などの不祥事で行き詰まった際、現役を引退させ、強引に監督を引き継がせた〝借り〟があることから、リベンジの機会を与える狙いがあったというのだ。

まずは「日ハム監督」案も

しかし東京オリンピック終了後、由伸氏のもとには野球日本代表「侍ジャパン」監督のオファーが先着しており、巨人への受諾回答を保留。その間に今度は日本ハムの監督交代が想定外の方向に進み、〝ビッグボス〟新庄剛志監督が誕生してしまった。さらに侍ジャパンの監督には栗山英樹氏が就任し、前侍ジャパン監督の稲葉篤紀氏は日本ハムGMに転身。この混乱に巻き込まれた由伸氏は時間を浪費し、原監督続投が決まった。

「収拾策として原監督は良好な関係にある栗山、稲葉両氏と意見交換する中で、由伸氏に日本ハムで監督経験を積ませ、その後に巨人監督を禅譲する方針を打ち出した。今季の日ハムは育成に割り切っており、来季以降は由伸氏が指揮を執って、いずれ巨人に帰還する。これなら巨人、日ハム、由伸とも〝三方一両得〟となる」(スポーツ紙デスク)

日本ハムは2023年シーズンから本拠地を「北海道ボールパーク」(エスコンフィールド、北広島市)に移転する。レフトスタンドに建設する「TOWER11(タワー・イレブン)」の一部フロアには世界初の球場内天然温泉、サウナ施設や宿泊施設を完備。ゴージャスな球場イメージは慶応ボーイの由伸氏に似合う。

「600億円かけた日本ハムの一大事業。完成後の工程表は既に出来上がっています」(日本ハム本社関係者)

巨人の本社サイドも由伸氏の「日本ハム監督就任」を後押しする。編成権も合わせ持つ原監督から「DH制のあるパ・リーグ監督をしっかり経験することは、何物にもかえ難い経験」との進言を受け、これに同意。近い将来の「DH制導入」を見据えての判断だ。

巨人は一昨年来「セのDH制導入」を求めてきたが、他5球団から賛同がなく、継続協議が続いていた。が、ここにきて流れが変わった。昨季、メジャーリーグで大谷翔平が投打に大活躍し、MVPに輝いたからである。

スター選手流出阻止にはDH制導入が急務

「日本でも二刀流選手を目指す球児が増えており、DH制を採用しないことにはスター選手が(DH制のある)パ・リーグに流れてしまう」(前出・デスク)

阻止するには、セも導入が急務というわけだ。MLBでも「両リーグでDH制導入」の機運が高まっており、これに伴い、セの採用も時間の問題となっている。

巨人がかくもDH制にこだわるのは、「もし巨人が12年オフのドラフト会議で大谷を1位指名していたら、どうなっていたか」の検証と反省が大きいという。同年のドラフトで巨人は「1浪(前年のドラフトで日本ハムから1位指名されたが、巨人入り希望で入団拒否)」した菅野智之を1位指名し、メジャー挑戦を明言していた大谷の指名は見送った。しかし、これは結果論。前年に巨人が菅野の交渉権を得ていたら、大谷を1位指名する可能性はあった。

「大谷が巨人に入団したとしても、DH制のないセでは恐らく投手一本で育てたというのが検証の結論です。肩や肘を壊して投手を断念した場合、打者転向を考えようと。つまり、巨人に入団していれば二刀流は生まれず世界的な損失となったのです。その大きな反省から〝第2の大谷出現〟に備え、DH制導入を急いでいるのです」(巨人担当記者)

昨年、プロ野球の解説中、大谷の二刀流の育て方について問われた由伸氏は「僕はセ・リーグの監督だったので、DH制がないからどこまでうまく回せるのかな」と率直な意見を述べて、パ・リーグへの興味をニオわせていた。そのノウハウを巨人にフィードバックすることで、自身のリベンジに繋げようとしているのか…。

阿部作戦コーチや桑田投手コーチには、なんとも恨めしい大谷の「二刀流」活躍となった。

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