松本人志 (C)週刊実話Web
松本人志 (C)週刊実話Web

松本人志「映画監督15周年」で振り返る“天才らしからぬ”過去作品

2022年は〝天才〟松本人志の映画監督デビュー15周年にあたる。しかし、振り返ってみればその作品たちは、どれも駄作だらけ。相方の番組風に言えば「監督の才能ナシ!」と断じざるを得ない。


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松本が最初にメガホンを取った作品は、2007年の『大日本人』だった。同作は〝天才・松本の監督デビュー〟ということで大々的なキャンペーンが行われ、事前の期待値と大フィーバーは凄まじいものがあった。


「残念ながら、内容はその期待を大きく裏切るものでした。『働くおっさんシリーズ』(フジテレビ系)、『ごっつシリーズ』(同系)を捨てきれない未練タラタラのコント表現、子飼いの芸人を多数出演させたキャスト、全体を通して破綻したつまらなさで、いきなりミソをつけてしまったのです」(エンタメ誌記者)


「大日本人」で検索したとき、関連ワードに「つまらない」「ひどい」といまだに出るあたり、その評価を察せるかもしれない。ちなみに興行収入は11.6億円であった。


「これは処女作で、当時〝まだ慣れてなかっただけ〟との擁護も、09年公開の2作目『しんぼる』で吹き飛ぶことになります。これは男性器をモチーフにした作品で、密室に閉じ込められた男が部屋の男性器を触ると、プレゼントが落ちてくるというもの。ですが、全体を通しての説明は一切なく、ただひたすらに意味不明な光景が続く〝懲役93分〟の映画でした」(同・記者)


あの松本が、真正面から男性器で笑いを取ろうなどと考えたわけでもあるまいが、興行収入は4.7億円と前作の半分以下に落ち込んでしまった。

共通する“意味不明”という世界観

11年に公開されたのは、「働くおっさんシリーズ」で松本が重用していた野見隆明を主演にした『さや侍』。本人には台本を渡さず、途中までは映画撮影とも知らせないという、何とも松本好みの奇をてらった手法が採られた。

「三度目の正直、とはなりませんでした。でも、他がヒド過ぎるためか、松本映画の中では最高傑作との呼び声が高い作品です。内容はセオリーに沿った親子愛を描く〝感想作〟で、興行収入も6.3億円と前作を上回りましたね」(同)


13年、現時点で最後の〝松本映画〟である『R100』が公開された。舞台となるのはSMクラブ。いまひとつ進歩のない下ネタベースにも驚かされたが、さらに驚くのはもはや〝逃げ〟とも言える作風だ。


「相変わらず説明不足で意味不明なストーリーは、まるで『解釈を人に委ねる』とさじを投げる現代アートのよう。寺島しのぶ、冨永愛、佐藤江梨子といった豪華キャストも全く生かしきれておらず、見どころはサトエリのセクシーなボンデージ姿しかない。興行収入は2.2億と過去最低で、制作費すら回収できていないのではと心配になるほどでした」(同)


これで限界を感じたのか、以降の松本は映画製作から遠ざかっている。


「結局、劇団ひとりやビートたけしと違い、松本には映画監督としてのセンスがなかったのでしょう。彼が天才でいる世界はお笑いであり、映画ではなかっただけの話です」(映画評論家)


大谷翔平のような〝ホンモノの天才〟は、そうそういないということか。