
今も連絡をもらう兄弟弟子の島田紳助~島田洋七『お笑い“がばい”交遊録』
以前、兄弟弟子の島田紳助について書きましたけど、今も連絡はありますよ。俺の話題が出るたびに電話してくるんです。大体が「洋七兄さんはほんまオモロイわ。8割が嘘で2割が作り話やから」だと。紳助とは本当に苦楽を共にしてきましたね。最初、紳助は俺らの師匠である島田洋之介・今喜多代の内弟子だったんです。内弟子というのは、住み込みの弟子で、師匠のお世話をする弟子のことです。
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ある日、洋之介師匠が「今日はカレー食いたいな」と要望したので、料理が得意な紳助が作った。その時、師匠の自宅には弟子の今いくよ・くるよさん、島田一の介さん、そして俺らがいたんです。カレーができて俺が師匠へ伝えに行くと「先に食べておけ」。それで弟子のみんなでカレーを先に食べ、その後、別の部屋にいたんです。すると師匠が紳助に「先に食べておけとは言ったけど、俺のを残しておくのが当たり前やろ」と怒られている。紳助は、いつもなら師匠が一番最初に食べるし、俺が師匠の部屋へカレーを運んだものだと勘違いして、残っていたカレーを全部食べてしまったらしいんですよ。
まだ19歳くらいで若かったからお腹も空いてたんでしょうね。次の瞬間、師匠は「こんなに食べやがって。吐き出せ(笑)」とギャグをかました。さすが漫才師だなと感心しましたね。
弟子はお金がないから紳助はよく腹を空かせてました。俺が焼き飯を食べていると、横でジーッと見ているから「お腹空いてるんか?」と聞くと「はい」と答えたから、焼き飯1杯で腹がいっぱいになる方法を教えたんです。
一門の家訓「師匠に気に入られても金にならん」
まず焼き飯に胡椒をたくさん、次にソースを少しかけると、辛いから水を飲まないとひと口しか食べられない。それを繰り返すと、焼き飯1杯で腹がいっぱいになるんです。「兄さん、工夫したら腹いっぱいになりますね」
後日、紳助は師匠が食べ終わったうどんの残りに、白米を入れて鍋で煮て雑炊のようにして食べてましたよ。「兄さんの焼き飯のアイデアをパクりました」と機転はピカイチでしたわ。
こんな話もあります。毎年、師匠は墨をすって年賀状を書いていた。墨がなくなったので紳助に1万円を渡して買いに行かせたんです。しばらくして戻って来た紳助が玄関で「師匠、買って来ました」。「こっちに持ってこんかい」と師匠。紳助は「こんなん座敷には持って行けません」。師匠が玄関へ行くと紳助は墨ではなく、俵で売っている炭を買って来たんですよ。
師匠の家の座敷には火鉢が置いてあって、炭を入れて暖を取ることがあったし、1万円も渡されたから炭と勘違いしたんです。
「バカか、お前は。俺は年賀状を書いてるやろ」
うちの師匠は、挨拶だけきちんとすれば、あとはほとんど怒ることがなかった。弟子入りしたら、3年ほどは身の回りの世話なんかをするのが当たり前みたいなんですけど、島田一門では「早く相方を見つけて漫才をやれ。師匠に気に入られても金にならんぞ」という〝家訓〟のようなものがありましたね。
そういう師匠の下にいたから漫才ブームで、いくよ・くるよ姉さん、紳助竜介、B&Bの3組も売れたのかもしれませんね。
島田洋七 1950年広島県生まれ。漫才コンビ『B&B』として80年代の漫才ブームの先駆者となる。著書『佐賀のがばいばあちゃん』は国内販売でシリーズ1000万部超。現在はタレントとしての活動の傍ら、講演・執筆活動にも精力的に取り組んでいる。
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