大みそかに、さいたまスーパーアリーナで行われる「RIZIN.33」の追加カードが発表された。〝キック界の神童〟と呼ばれ、ボクシングへの転向を表明している那須川天心のRIZINラストマッチは、意外な対戦相手だった。
「かつて、格闘技イベント『PRIDE』のエースとして活躍した総合格闘家の五味隆典です。3分2ラウンド、判定なし、寝技もキックもなしのボクシングルール。五味は全盛期よりもかなりウェイトオーバーで、スペシャルエキシビションマッチとはいえ、天心との体重差は危険なレベル。天心23歳、五味43歳という親子ほどの年齢差もあり、せっかくの〝天心RIZINラストマッチ〟を完全な茶番にしてしまった」(格闘技ライター)
もともとは、数年前から対戦が熱望されていたK-1の3階級王者・武尊との〝世紀の一戦〟が、この大みそかに組まれるはずだった。
「武尊戦は、来年6月に実現する。当初、天心は大みそかの試合も含め、残り2試合でキックを卒業。来年3月のボクシング転向を宣言していたが、武尊戦にゴーサインが出たため、延期することになったほど。ただ、交渉は難航し、大みそかには間に合わなかった」(同・ライター)
俳優・横浜流星とやらせた方が…
RIZINを放送するフジテレビの内部からは落胆の声が聞こえてくる。
「PRIDEの全盛期なら五味は魅力があったが、もう第一線で戦える選手じゃないし、視聴率も稼げるとは思えない。RIZINの榊原信行CEOは、次世代を担うキックボクサー2人に大みそかの天心戦のオファーを出し、断られたことで不満を口にしていたが、その2人が出たとしても、ディープな格闘技ファンにしか知られていない存在でしたからね。バラエティー番組などにも出ている武尊戦を大みそかに実現させてくれるのが、うちの局にとってはありがたかった。天心と武尊戦は、K-1でもRIZINでもない中立なリングで行うというが、榊原さんが間に入っているだけに、せめてうちに放映権を回してくれないと、もうRIZINの面倒は見きれない」(フジテレビ関係者)
昨年大みそかのRIZIN生放送枠(午後8時から10時半)の平均世帯視聴率7.3%(ビデオリサーチ調べ・関東地区/以下同)を記録。19年の午後9時から11時半は5.2%、18年の午後9時半から10時50分は6.9%だった。
「天心VS武尊戦が実現していれば、昨年を超えることは確実だったはず。五味なんかより、幼いころから空手の試合で天心と知り合いだった俳優の横浜流星とのエキシビションマッチの方が数字を取れたかもしれない」(同・関係者)
天心の試合より、視聴率戦争の方がシビアだ。
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